僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

歳を重ねれば若返る・・・?

職場での健康診断の時に受けたストレスチェックの結果を確認したところ、
人間関係にストレスを感じているという診断、
そんなことはわかっているわい、わがままなアル症で肝硬変、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、哲学ぶりっ子・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


なぜかこの頃、疲れが抜けません。

目一杯仕事をしたような気もしますが、そんなにしんどいスケジュールでもないんですけどねぇ。
もっとも昨年は療養ということで仕事を休んでいましたから、それに比べれば当然、しんどいわけです。

でも、それだけではなさそうな感じ。

僕は1週間に7コマの授業を担当していますが、
その内訳は、講義3コマ、外国語2コマ、演習連続2コマで、
おそらく大学の教員としては平均的な負担でしょう。

でこれらのうち、肉体的にも精神的にも負担になっているのが、
講義の3コマです。
基本的にはこちらが一方的にしゃべるわけですから、
ペース・コントロールは自分でできるはずです。

ところが、結構、きついんですね。
例えば水曜日は、1時間目(9時10分ー10時40分 90分)の1コマだけなのですが、
終わって自分の研究室に戻ると、
1時間くらいはぼーっとしています、脳みそがしびれて。

もちろん、講義ノートは準備してありますから、
大まかな台本はできています。

でもこの頃、話そうとする一言一言を吟味するようになってきているんですね。

二つの理由があります。

一つ目。
学生諸君とのジェネレーション・ギャップのため、こちらが当然と思っている言葉や概念が、若者たちにとっては必ずしも自明でないことが少なくないこと。
例えば、彼女たちはビートルズは知識としては知っていますが、彼らのサウンドやファッションがいかに反抗的であったかは理解できません。
そして、プレスリーは知りません。
ピストルズやクラッシュといったブリティッシュ・パンクの(反)社会性については、説明しないとわかってもらえません。(というよりも、説明しても通じてないかも。)

二つ目。
講義をするこちら側が、自分の授業内容について慎重になってきています。
若い頃は、それこそ、俺の言ってることは正しいんじゃい! そんだけの勉強を俺はしてきたんじゃい!
という、若気の実は根拠の弱い自信にあふれていましたが、
この年齢に達してくると、自らの学説すらも疑う多角的な態度が形成されてきています。
勉強が深まった故に、真理が遠のいたとも言えるかもしれません。
あるいは、勉強が深まったが故に、
真実の奥深さをいやがおうにも知らされてしまったということでしょうか。

つまり歳をとったが故に、疑問は一層深まったということです。

決して若返ったわけではなく、若い頃の無知をようやっと知ったということでしょう。
命短し、恋せよ乙女(ちょっと違うか)、
人生、短く、学なりがたし、ということでしょうね。

わからん、わからん、どないなってんネン、と唸りながら歳を重ねそうです。

ま、それもいいか。

ということでいつものように

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。