僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

高齢化とジェンダー

飲酒歴40年、断酒歴2年と5か月、不良初期高齢者、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、本人は発見したつもり・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。



さて今日も「終わった人」、立ち読みで少し読み進めました。

ただし今日は、一つの章を読み切るのではなく、
あえて、というか、何となく、
途中でやめて、次回の楽しみに残しています。

そして家への帰路、運転しながら、ちょっとした真実?に気が付きました。


それは

「高齢者は思いこむ。
そしておっさんはその思い込みを内側に閉じ込め、
おばはんは、口に出して発散・拡張させる。」

というものです。


終わった人」の途中の章では、
嫁ハンから恋をしなさいよとそそのかされた主人公が、
カルチャースクールの受付の女性とイイ感じになっていきながら、
これは恋に発展するかもしれない、
と妄想をたくましくしていく過程が描写されます。

作者の内館さんは、
オッサンマインドを十分に理解しているおばはんのようで、
この辺りの心理描写は、見事です。


そして主人公君、
その女性とさらに仲良くなった食事の席でさらに妄想を膨らませていきますが、
帰りのタクシーの中での彼女のちょっとしたしぐさに対して、
自分の恋へのあこがれが完全に自己チュウな思い込みであったことを悟り、
あきらめ、
そしてときめいていた自分にも嫌悪感を感じるようになります。


おっさんは、勝手に恋の可能性を予見して一人で盛り上がりました。

その過程のおっさんの行動は、
はたから見れば、盛りのついた高校生か、というような野性味?にあふれています(笑い)。

そしてタクシーに同乗した時に隣同士で座っている隙間にバッグを置かれてしまったことから、
彼女が無意識のうちに結界を作ったと結論付け、
自らの思い込み恋愛を恨むようになります。


正直に告ります。

僕、このおっさんマインドの動き、すごくよくわかります。

っていうか、図星過ぎて、刺さります、痛いほどに。



勝手に恋に落ちていると思い込み、その思いを内側で膨らませていきます。

勝手に最初から恋なんてありえなかったと結論付け、一切の連絡を閉ざしてしまいます。


オッサンマインドの行動の特性として、
自らのあほみたいなプライドが傷つくのを恐れるあまり、

絶対に思い込みを誰かに伝えることはありません。

恋ですから、高校生であれば、相手に伝えます。
たとえ、玉砕しようが。

ところがおっさんは、
妄想だけは高校生レベルに膨らませながら、

棚ぼたをひたすら待って、自らアクションを起こすことはないんですね。


終わった人」では、バッグを間に置かれたことから主人公は勝手に恋を終了させましたが、

でもこれも勝手な思い込みの可能性もありますよね。


おばはんはたぶん、どっかの段階で、誰かにぺらぺらと喋ってしまいます。
しかもその喋りも、相手のメンタリティーの如何を問わず、有無を言わせぬ同意を強制する力に満ちています。

女性というジェンダー

或いはもっと正確には、おばはんというジェンダーは、

ホンマに無敵ですよ、ホンマに。


でもおっさんは、誰も気にしていない、本人だけが傷つくプライドのせいで、
意味もなく無力なんですね。


この小説、ホンマに心臓に悪いっす、現役のおっさん・ジェンダーの持ち主としては。


でもジェンダーですので、
おばはん・ジェンダーの素晴らしい?ところは、取り入れていくことも考えてもいいかもしれませね。

オッサンビジネス風に言うと、

前向きに検討することを考える段階に至ったのかなと思います、
って、

ちゃんと考えろよ、おっさん。

最後は自分に少し鞭を打ちます。


そしていつものように

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。