僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

卒業生の結婚

飲酒歴40年、断酒歴2年と5か月、不良初期高齢者、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。


午前中の授業を終え、
予定されていた2本の会議を半分居眠りの中でこなしてから、

3時過ぎに研究室でほっこりしていると、


8年前に卒業した F さんが突然、訪ねてきました。


アニメーションを専攻していた彼女、
現在は制作活動をつづけながら、パン屋さんでアルバイトをしながら暮らしています。



在学中の F さんは、
僕の研究室を訪れる学生の常連さんでした。


彼女が僕の部屋に何をしに来たのかといいますと、

オンオン、泣きに来ていたのです。


学生時代は精神的に不安定なところを抱えていた F さん、
何故か泣きたくなると僕の部屋に来て、
ティッシュボックスを大量消費しながら、大泣きしてくれました。

彼女の涙が収まるためには、平均で3時間ほど、
慰め、励まし、そして最後は車でどこかに連れて行ってあげる必要がありました。


なぜ彼女が僕の研究室を彼女の泣き部屋に選んだのかは、
今でもよくわかりません。

しかし、僕の部屋ではホンマに大泣きしてくれました。



そんな F さん、
今日は2年ぶりの訪問ですが、

今週初めの地震のことや、
僕自身の健康のことなどについて話した後、

「実は、結婚することになりました」
と切り出してくれました。


実は彼女から結婚が決まったという報告を聞くのは、これが2度目です。

F さん、とてもかわいそうな話なのですが、
一度、結婚に失敗しています。
というか、前の時は、
結婚の約束を交わしながら、
先方の親の無理解からご破算になってしまいました。


以前の彼氏のご家族は、熱心な創価学会の信者で、
F さんも、彼氏に宗旨を合わせるために入信したのですが、

同居の形式や仏壇の問題をめぐって先方の両親と F さんのご両親との間でどうしようもないいざこざが生じてしまい、

若い二人どうしは気持ちが固まっていたにもかかわらず、
別れさせられたのです。


そのような過去があった上での今日の訪問と報告でしたが、
僕は正直に嬉しかった。


あの時の彼女のどうしようもない落ち込みぶりを知っていただけに、
もう立ち直れないのではないか、
2度と恋に落ちることもないのではないかとも思っていましたが、

今日の F さんの顔は、希望に満ちていました。


今度の彼氏の写真も見せてもらいましたが、
F さんよりも6歳ほど年長ということですが、
若作りのなかなかのイケメン、
すてきな彼氏と出会えたようです。



学生時代、オンオン、大泣きしていた F さんを一時的な疑似恋人のような気もちで見守っていた僕にとっては、

かわいらしい妹が旅立っていくような寂しさも感じますが、

しかし、人生の新しいステージに進んでいく教え子を見ることのできるうれしさ、

これも教師という仕事の醍醐味の一つです。



この楽しさを確実に味わうためにも、アルコールごときで無様に死ぬわけにはいきません、ハイ。


ですのでいつものように。

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。