僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

薬物使用障害者への視線

飲酒歴40年、断酒歴3年と10か月、不良初期高齢者、リスボン、61歳。

本日もリスボンの、少し社会批判?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

以前に田代まさしの逮捕に関連して、

マーシーの一刻も早い帰還を願うブログをアップしました。

ここであえて帰還と書いたのは、

決して完治することのない疾病としての薬物使用障害を意識してのことです。

 

よく、薬物使用障害は、治癒はしないが回復は可能であるという言い方がされます。

僕たち、当事者は、

原因薬物さえ摂取しなければ僕たちは普通に生活を送ることができます。

そのような状態を回復と呼んでいるのでしょうけど、

僕は少しなじめない感じがしています。

むしろ薬物に依存している状態から、

依存しなくてもよい状態に移行しているという観点、

そしてその依存しないで済んでいる状態こそが本来の姿であるという意味で、

帰還と呼びたいのです。

 

しかし今回のマーシーの逮捕容疑は、

彼がまた悲惨な依存状態に囚われてしまったことを示しているようです。

これで確か6度目の逮捕になる田代容疑者、

世間の目は冷たくなる一方でしょう。

 

でもこの状況には、同じ薬物使用障害者としては、

とても切なく、耐えがたい感覚に襲われます。

覚醒剤使用あるいは所持は、

確かに極めて反社会性の高い犯罪行為ですが、

しかし使用障害者にとって使用への誘惑を断ち続けることは、

とてつもなく困難な事業です。

マーシーは確かに何回も転んでしまっています。

でも転んだあとの彼は、二度と転ばないための苦労を繰り返しています。

やっぱり僕は、マーシーを責めることができません。

そして必ずやまた彼が帰ってきて、

ダルクの重要なメンバーとして活動することを信じています。

 

僕たち薬物使用障害当事者は、

社会に対して気後れすることなく、

緩やかな団結の中で、僕たちの思いを主張しましょう。

帰還の継続の困難な仲間たちのためにも僕たちは生き続けなければなりません。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。