僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

リアルとヴァーチャル

飲酒歴40年、断酒歴3年と10か月、不良初期高齢者、リスボン、61歳。

本日もリスボンの、古いやつだとお思いでしょうが・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

「古いやつだとお思いでしょうが」という名ゼリフ、

多分、ピンとこない人の方が多いかもしれませんね。

往年の大俳優、高倉健のナンチャラという歌の中のセリフの一部ですよ、ハイ。

このセリフは次に、

「古いやつほど、新しいものを欲しがるもんでございやす」と続きます。

僕はすでに古いやつの仲間入りをしていますが、

しかし新しいものを欲しいとは思いません。

もともと物欲があまりないんです。

もし今、まとまったあぶく銭を渡されて、貯蓄に回したらあかんといわれたら、

何かを購入するよりも、渡された額に応じて、どこか海外旅行に行くでしょうね。

実際、昨年の3月に買ったステージ用電子ピアノ(約6万円)が、

最近?では一番、高額の買い物でしょう。

楽器は新しいものがほしい感じはしますが、

他は別に要りません、ハイ。

 

何でこんな長々とした前振りを書いたかというと、

どうもホンマに僕は、

古いやつであるらしいことを思い知らされつつあるような気がしているからです。

 

ネットの記事ですが、

最近の若者が映画館で映画の上映中にスマホを操作しているという話を読みました。

決して安くはない入場料を払っているにもかかわらず、だそうです。

 

そのような若者たちの声として、

2時間の上映時間が長すぎて耐えられないというものと、

頻繁にスマホをチェックしておかないと、

ライン等のSNS上でのやり取りに取り残される不安に襲われるという、

二通りの声が紹介されていました。

 

どちらの声に対しても、古いやつは全く共感できません。

目の前で上映されている映画作品、

俳優も含んだクリエーターたちの気合のかたまりのはずです。

一瞬たりとも無視できません。

ましてその気合のかたまりを楽しむために、

決して安いとは言えない対価を払っています。

もったいなくて、目も耳も反らすわけにはいきません。

今時のガキどもの罰当たりぶりには怒りしか感じません。

 

かつての僕であったら、そう言い切って、ホンマに怒っていたと思います。

しかし最近、少し感じ方が変わってきました。

僕たち、古いやつ世代にとっては、

リアルがあってのヴァーチャルであって、

あくまでリアルが主、ヴァーチャルは主たるリアルの代替品と考えますが、

今のガキどもにとっては、この前提そのものが成り立たないのかもしれません。

リアルとヴァーチャルはあくまで別物、

そしてどちらかといえばヴァーチャルの方が意味があると感じている、

それが今時のガキどものリアルかもしれません。

リアルしかなかった僕たち、古いやつ世代にとっては、

リアルの良さは絶対に他には代えられないという信念を捨てることができませんが、

リアルとヴァーチャルのどちらにも最初からアクセスできた世代にとっては、

アクセスするのも味わうのもしんどいリアルよりも、

楽にアクセスできて、それなりの面白さをもたらしてくれるヴァーチャルの方が、

より意味があるのでしょう。

 

僕たちがリアルの面白さをどれだけ主張しても、

全く響かない連中が現れつつあるのかもしれません。

じじぃとしては、世も末じゃぁと嘆くだけかも。

んでもリアルの良さの中に生きまっせ、

そして嫌われてもリアルの面白さをガキどもに伝え続けますよ、

僕は。

 

なのでいつものように。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。