僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

大学の将来

飲酒歴40年、断酒歴4年と9か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル61。

本日もリスボンの、この国の近未来を憂う・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日はマジメに過ごしました、ハイ。

いつもマジメに過ごしていますが、

僕のマジメさは少しばかり理解されにくい傾向のあるマジメです。

 

昨日のように、

アートを勉強している若いお嬢さんと一緒にアートイベントをめぐるのも、

僕にとっては、ムチャクチャマジメな過ごし方なのですが、

世間の皆さんの目からは、

若い女性を連れ歩きながら遊んでいるようにしか見えないでしょうね。

 

でも今日の僕のマジメは、多分、だれが見てもマジメでした。

午前中は1年生を対象とした大学入門講座のマネージメントを行い、

午後からは、少しばかり重要な書類に関する評価業務を行いました。

 

少しばかり重要な書類といいますのは、

新たに採用する先生の人事に関する基礎資料です。

昨年、ネイティブスピーカーの英語の先生が定年退職を迎え、

現在、そのポストが空席になっています。

日本語ネイティブの英語教師である僕の賞味期限もあと3年。

そこで新たにネイティブスピーカーの英語の先生を公募することになり、

4名の方が応募されたので、

それらの方々の提出書類の点検評価を行いました。

 

それぞれの先生の学歴や研究業績、そして教育業績をじっくりと読み込み、

4名の応募者に対して、英語担当教師としての評価を行いました。

僕の評価は、最終的な人事の参考意見にしかなりませんが、

しかし、一応専門家としての知見に基づく意見を書類としてまとめました。

 

今回の人事審査で、1名の方の書類が僕の目をくぎ付けにしました。

その方は、お名前から判断する限り、

韓国系のイギリス人と思われ、

英語教育のみならず、

西欧社会と東アジア文化圏の国際交流の歴史について、

陰陽、両方の側面から積極的な研究活動業績も挙げられてます。

僕は、この方を、1位に推薦しました。

 

この方を推薦したのは、日本の大学の置かれている現状と将来像に対する、

僕の強い思いがあります。

 

このブログでも時々、述べていますように、

今や日本は、世界の三流国です。

経済や産業面での立ち遅れは客観的にも明らかですし、

学術研究の面でも、今後の衰退が予想されます。

そして文化面においても、

現在はとりあえず、

二次元表層文化表現の分野(いわゆるオタクカルチャー)での国際的な優位を保持しているようにも見えますが、

僕はこの分野でも、すでに中国に後塵を拝しつつあることを恐れています。

 

そんなこの国にとって、

東アジアや東南アジアの国々と新たな建設的協力関係を結ぶことは、

おそらく絶対に手を抜いてはいけない、必須の努力目標だと思います。

そんな中で、東アジアに民族的なルーツをもちながら、

西欧社会と東アジア社会との交流の盛衰について研究されており、

外国語教育にも情熱を燃やしている研究者にスタッフに加わっていただくこと、

このことは、僕の勤務先のような地方の小規模大学にとって、

文化の発信基地としての生き残りのための有効な戦略だと思われます。

 

僕は僕のこの思いを、今回の人事を進める委員会のメンバーの一人に託します。

大学上層部が僕の思いを受け止めてくれるかどうかは、僕にはわかりません。

僕は勤務先では異端児であり、時にトラブルメーカーとして見られています。

僕の主張は多分、理解されないと思いますが、

しかしいうべきこと、主張すべきことは書類にまとめました。

結果がどうなろうとも、一つの仕事を片付けた納得感はあります。

 

21世紀はアジアの時代になります。

日本は、チームアジアの一員としての自らの可能性について、

見つめなおす時期に来ています。

大学卒業後も(大学強制退去後も)この主張を訴え続けます。

 

アジアの時代をしっかりと見届けるためにも

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。