僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

春に挨拶

飲酒歴40年、断酒歴6年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、あと何回?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は2日連続のジャムセッション、ホスト・ピアニストの2日目、

時々、一緒にライブを行う仲間たちがお客さんとして来てくれて、

盛り上がることができました。

ライブの時と違うのは、

今日の僕はホストなので、僕の主張はできる限り控え、

仲間たちの提案にできる限り忠実に従って演奏したことです。

 

あえて制限的な要素を受け入れる演奏を行ったわけですが、

そのことによって、今まで気がつけなかった新しいメソッドを見つけることができて、

それはそれで、非常に興味深い結果になりました。

この頃、折に触れて報告していますが、

音楽も足し算の考え方で盛っていくよりも、

引き算の感覚で要素を絞っていった方が、意図のはっきりした、よい成果をもたらすようです。

足し算の美学は若い衆に任せることにして、

俺たち、高齢者は、経験値の高さを武器に、引き算の美を追求していくべきでしょう。

 

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今日も暖かい一日でした。

ふと桜が見たくなり、湖畔の古邑、堅田の渚沿いを散策しました。

ほとんどの桜はもう時期を過ぎていましたが、

湖畔の十六夜(いざよい)公園の1本の枝垂れ桜がちょうど満開を迎えていました。

正確に言えば、少し満開を過ぎており、

咲き誇る花びらの間から若葉の鮮やかな緑がのぞき始めていました。

 

花びらの白とピンク、若葉の黄緑、

そして間から見える青空の3種の色のトーンが、きらめくようなアンサンブルを作り上げていました。

僕は、満開の桜よりも、

花びらの白と葉の黄緑が絶妙な競演を見せてくれる、

満開を少し過ぎた桜の方が好きです。

満開の桜は、僕には鮮やかすぎますし、

その一瞬の輝きは少し悲しい。

複数の色がまさに自然のハーモニーを醸し出してくれる、

そんな中に春の喜びがあるように思います。

 

燕たちも帰ってきました。

多分、彼らの恋の季節なんでしょう、

忙しくさえずり続けていました。

 

今さらですが、本当に春が帰ってきました。

今日は小一時間ほど、帰って来てくれた春に、ゆっくりとあいさつをしてきました。

あと何回、春にお帰りなさいを言うことができるでしょう。