僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

久々に見かけた彼

飲酒歴40年、断酒歴6年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、不思議な彼の話・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

以前にもご報告してましたように、

 

ちょっと小忙しくなるかな…? - 僕のワンノートサンバ

 

今月はジャムセッションのホスト・ピアニストを4回、引き受けています。

今日は、その3回目、

しかも初めての店での大役でした。

僕がそのお店のホストを務めるのが初めてだけではなく、

店としてもジャム・セッションの開催そのものが初めてということで、

お客さんは少なかったのですが、

謡曲からジャズと、その守備範囲が多岐に渡る、ホンマのごった煮ジャムセッション

ゲストの皆さんに楽しんでもらえたと思います。

 

今日のタイトルの「久々に見かけた彼」というのは、

このジャムセッションとは全く関係がありません。

 

今日のジャムセッションの会場は京都でしたが、

京都に行く途中で、大津京のイオンスタイルで時間つぶしをしました。

4階にあるフードコートでアイポッドを聴きながら少しばかりぼーっとしていました。

 

すると僕の隣のテーブルに、

名前も年齢も、そして職業も存じ上げないけれど、

お顔とその行動特性については、非常に印象に残っている男性が現れました。

彼は、おそらく1階の食品売り場で購入してきたであろう、お弁当やおにぎりをテーブルの上に並べ、

椅子に座らず、テーブルの端に両手を置いたまま、

誰を気にすることもなく、幸せそうな顔をして立っていました。

そして大量の食糧を、ゆっくりと食べ始めました。

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彼を始めて見かけたのは、6年前の入院中のことでした。

何故か彼は、僕が入院していた病院の談話室に毎日のように現れ、

病院内のコンビニで購入したと思われる大量の食糧を、

今日と同じようにテーブルに並べ、

椅子に座らず、足ったまま、時間をかけて食べていました。

その頃も彼は、誰も気にすることはなく、

そして誰も彼を気に留める様子もなく、

マイペースの食事を楽しんでいました。

 

30代から40代と思われる彼は、おそらく自閉症です。

自閉症とともに暮らす彼にとって、

以前は病院で、そして最近はショッピングモールで食事をとることは、

とっても重要な毎日のルーティンのようです。

そんな彼が、以前と変わらぬマナーで食事を楽しんでいた様子を見て、

何となくうれしくなりました。

理由はよく分かりません。

でも彼の孤独だけど優しい表情が、言葉になりにくい物語を語っていたようでした。