僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

東アジア・エナジーが生んだ悲劇?

飲酒歴40年、断酒歴6年と9カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、悲劇からはやっぱり学ぼう・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

一昨日の夜、ソウルで、にわかには信じがたい事故が起きました。

ソウルの繁華街の一つ、梨泰院の狭い坂道で、

考えられないほどの人の密集状態が一時的に生じ、

150人以上の主には若者が、圧死状態に追いやられたそうです。

 

 

僕は梨泰院には行ったことがないのですが、

どちらかといえばオシャレ度の高い、ハイソ型の繁華街のようです。

 

まだ事故の全容が明らかにはされていませんので、確定的なことは言えないのですが、

新型コロナウィルス対策の中で抑圧状態にあったソウルの人びとのエネルギーが、

一挙に解放されてしまったために起こった悲劇のように思われます。

 

まず、ハロウィーンで街全体が浮かれていたようでした。

現在のソウルは、少数の成功者と、

成功者を目指して余裕を失っている若者のエネルギーが、

怨念を帯びながら偏ったせめぎ合いを見せている街のようです。

そして有名人が街角に現れていたという情報が、

さらにエネルギーの解放のベクトルに無秩序さを与えてしまったようです。

 

ソウルも北京も、そして東京や大阪もそうですが、

衛生管理や安全管理が徹底された市街地のすぐ隣に、

決して裕福とは言えないが、

しかしエネルギーをもてあましている住民たちの暮らしているゾーンがあります。

今回の事故も、そんな東アジアの大都市ならではの、ハイブリッド・ゾーンで起きたようです。

 

普段は集団としての秩序を尊重する暮らしぶりの中にいる東アジア人たちは、

しかしひとたび、お祭り状態の中に解き放たれると、

抑圧されてきたエネルギーを爆発させてしまいます。

ヨーロッパやアメリカのラテン系の連中は、

普段から適度にエネルギーの鬱積を開放しているため、

殺人的なパニック状態には陥らないのかもしれません。

 

僕には今回の事故は、僕たち東アジア人が共有している、

感情コントロールの不器用さがもたらした悲劇のように思えてなりません。

僕たちの疾病も、同じ病根から考えることができるかもしれません。

やはり僕たちは、生き延びるべきなのです。

生き延びることで、

僕たち東アジア人も、悲劇に対抗できる可能性をもっていることを実証しましょう。