僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

小さな改作の報告

飲酒歴40年、断酒歴7年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、少しづつですがクリエイティブ・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

僕の音楽活動の売りの一つに、

英語で歌われることの多いジャズ・スタンダード曲や、

もともと歌詞をもたないジャズ・オリジナル曲に、

勝手な解釈を施して日本語の詩をつけて歌うことがあります。

 

一応、現在のところ、少ないのですが、5曲、持ちネタがあります。

 

その中の一つに、Nardis ナルディスという、

ジャズ・トランペットの巨人、マイルス・デイヴィスが作曲し、

リリカル・ピアノの巨匠、ビル・エヴァンスの度重なるレコーディングで知られることになった、

ジャズ・オリジナル曲があります。

 

3年程前に、当ブログでも、新たに作った歌詞とともに、紹介し、報告しました。

 

Rhapsody in Istanbul - 僕のワンノートサンバ (hatenablog.com)

 

その時は、ラプソディー・イン・イスタンブールという新たなタイトルを付けましたが、

少し思うところがありまして、歌詞の一部を変更することにしました。

 

港を渡る風

知らない香りを運ぶ

 

この街で交わされる響き

明日から学ぶ言葉

 

あなたの見ていた空の色、そして僕の見ていた空の色

ここで一つに出会う

 

新しく始まるラプソディー

二人のイスタンブール

 

これが3年前に作った歌詞でした。

 

全く異なる地で育った二人が出会い、

新たな生活をトルコのイスタンブールで始めるという設定でした。

 

男性が日本出身、そして女性がポルトガル出身というのが、

僕が勝手に作ったストーリーでしたが、

「二人のイスタンブール」という部分が、大昔の歌謡曲の一部を想起させるようで、

妙な受け狙いに解釈されることもありました。

 

そこでこの部分を、「空と海の間に」という、

詩としてはあえて未完成な状態を思わせるようなフレーズに変えることにしました。

 

空という言葉は、若い二人がそれぞれ、異なる地の空を見て育ったことを、

そして海という言葉には、そんな異なる文化が出会う大きな媒体としての海というイメージを込めています。

 

詩の具体性を希薄にすることによって、

普遍的な意味合いを持たせることができるのではないかというのが、

今回の改編の狙いです。

 

 

言葉というメディアは、あまりにも日常的過ぎて、

かえって感性的な素材としてはデリケート過ぎるようです。

僕の言葉に対する感性のレベルがどの程度のものなのか、わかりませんが、

高齢者ならではの厚かましさという特権?で、

チャレンジし続けてもいいですよね。ハイ、いいです。