僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

やっぱ紙の本です

飲酒歴40年、断酒歴7年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、温故知新・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は3月31日、年度終わりの日でした。

明日から2023年度が始まります。

僕にとっては、定年を迎える年です。

どんな1年になるんでしょうね。

 

時にこのブログでも告っていますが、

僕はお金の計算が苦手です。

計算が苦手というよりも、

お金の出入りを分類・整理しながら処理することができないんですね。

 

勤め先でも、予算や決算に関する会議には、全く能動的な参加ができません。

最近になってようやく円安という事態が、どういう社会現象なのか、

少しわかり始めたくらいで、

いろいろな組織で重要な意味を果たすであろう、会計処理上の用語についても、

全くちんぷんかんぷんです。

 

それじゃダメじゃん!というのはわかっているのですが、

とにかく、脳みそがありとあらゆる身体部位を駆使して拒否信号を出してきます。

 

そこで、正面突破はあきらめまして、

これまであまり関心をもってこなかった、経済小説、あるいは企業モノ小説を読むことで、

多少なりとも経済オンチの矯正ができはしまいかと思い、

杉田望著、「倒産仕掛人」という文庫本を借りてきて、読み始めました。

 

最初は、登場人物が多いので、誰が誰で、社長は誰、メインバンクの頭取が誰、

関りのある商事会社の担当役員が誰なのか、なかなかわかりにくかったのですが、

行ったり来たりしながらを繰り返し、何とか納得しながら読み進めていくうちに、

少しずつ、現代社会におけるビッグマネーの移動のダイナミズムについて、

雰囲気をつかむことができるようになってきました。

 

小説というメディアは、こちらが楽しむペースを決めることができるので、助かります。

やっぱり紙に印刷されて文字情報というのは、

そこに含まれる内容も豊かでありながら、

同時に受け手の能動的な関り許してくれる面もあるので、

柔軟性の高い、優れたメディアだなと思います。

 

今、若干、仕事も絡みますが、

同時に3冊の本を読み進めています。

学術書ではありませんが、

Sherin Khankan, "Women are the future of Islam" という、

デンマーク人女性による自伝的エッセイにも、ハマっています。

著者のシェリン・ハンカンさんは、デンマーク人初の女性イマームだそうで、

日本ではなかなか知ることのできない、

ヨーロッパ社会でムスリムが出会う様ざまな問題について、平易に語られています。

イマームとはイスラムの指導者のことだそうで、牧師さんのような立場の人でしょう。)

 

電子ネットワークも優れた情報媒体ですが、

しかし紙媒体には紙媒体ならではのよさがありますよね。

20世紀と昭和を引きずる僕には、ネット空間でおぼれることはできないようです。