僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

中国の若者たちのリズム感?

飲酒歴40年、断酒歴7年と8カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、これも異文化交流・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

昨日と今日、勤め先の大学での野外マラソン・ストリート・ライブ、

無事、終了しました。

時間帯によっては多くのお客さんが集まり、

またたとえ僕の持ち場の近くには来なくとも、

遠巻きに聴きながら楽しんでくれた若者たちもいたようで、

二日間で合計10時間以上の演奏、

楽しむことができました。

写真は昨日の一コマですが、

母校を訪ねてくれた卒業生が撮影してくれました。

 

二日間にわたり、何人かの飛び入りゲストに手伝ってもらいました。

 

昨日は、中学・高校と吹奏楽部でトロンボーンを演奏してきた3年生の U さん、

同じくサックスの演奏経験のあるこちらも3年生の K さんに、

僕の準備した楽譜に基づいて、ジャズ曲を2曲、共演してもらいました。

さらには夕刻には、

この頃の僕のライブ活動の相方でもあるピアニストの O さんとその連れ合いの M さんがやってきて、

僕と3人で、2時間近く、セッションを展開しました。

 

今日は今日で、

僕がホストを務めるセッションに何回かお越しいただいている元ギタリスト、現ピアニストの M さん、

僕の個人指導で英語を勉強している2年生の Y さん、

そして中国からの留学生、3年生の M 君が共演してくれました。

 

中国人の M 君との共演の時ですが、

彼が友人の中国からの留学生たちに声をかけてくれたようで、

8名ほどの留学生が来てくれました。

そして M 君との共演の後、

一人の留学生からリクエストがあり、

ジャズでもよく演奏される、 Fly Me To The Moon を演奏したのですが、

その時に面白いことが起きました。

 

僕はこの時は、YouTube 上のベースとドラムスだけのバッキングトラック、

つまりジャズ・インストのカラオケ版とともに演奏したのですが、

若者たちにオフビートで手拍子を入れるように要求しました。

 

オフビートというのは、1,2,3,4という4つの拍の、

2と4のところでリズムをとる感じ方のことで、

俗にウラ打ちとも呼ばれます。

 

僕が驚いたのは、8名の留学生、全員が、オフビートを討つことができなかったことです。

1,2,3,4の1と3のところで手を叩く、

たとえはあまりよくないかもしれませんが、

酔っ払いのおっさんらの寄り合いの手拍子と一緒です。

 

オフビートで叩いてもらわないとジャズにならないので、

僕は何回か演奏を停めて、オフビートの打ち方を説明しました。

しかし彼女たち、彼ら中国からの留学生は、

どうしてもオフビートで手拍子をとることができなかったのです。

 

一人だけ日本人の学生が混じっていましたが、

彼女はしっかりとオフビートを打てていました。

 

8人がダメで、1人はできる、

この数字だけで、

日本の若者はオフビートを理解し、中国の若者は苦手であると結論付けるのは、無理でしょう。

 

でも僕の勤める大学は美大です。

日本の美大に留学しようという中国の若者たちが、

ポピュラー・ミュージックの基本ビートを世界中の若者たちと共有できていないとすると、

これは少しばかり、問題かもしれません。

 

お互いに笑いながら、このビート感の違いについて留学生たちに訊いてみると、

学校教育の中でポップスにふれる機会がほとんどないためではないかといってました。

 

音楽に合わせてウラ打ちでビートを感じることができる、

どうでもいい感覚といえばそうですが、

しかしオフビートを体感することでさらに新しい音楽世界が広がるのも事実です。

留学生たちには、これを機に、オフビート感について考え、

できれば体得してもらいたいものだと思いました。