僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

情けは人の為ならず、だったかな

飲酒歴40年、断酒歴7年と8カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、今日は素直に・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

情けは人の為ならず。

他の人にかけた優しい心は、その人を助けるだけではなく、

巡り巡って、自分にも返ってくることがあるよ。

そんな意味の諺ですよね、確か。

 

今日の午後の僕は、そんな感じでした。(と思ってます。)

 

今日は午前中、同じ内容の講義を2回繰り返す、体力的には結構きつい日です。

何とか2回目の講義を終えて、コンピューターを片付けていた僕に、

一人の女子学生が、相談があるんですが、と話しかけてきました。

 

この子は、少しばかり精神的にか細く繊細なところがあり、

1年生の後期を休学しています。

僕には気安く声をかけてくれることの多い、可愛らしい子なのですが、

また、危機に瀕しているのかなと心配になりました。

 

講義室から僕の仕事場に場所を移し、詳しく話を聞いてみると、

自分自身のことではなく、友人のことで相談に乗ってほしいようです。

 

彼女の小学校からの親友が、今、彼女の下宿にいます。

母親から虐待を受け、大阪から大津に避難してきたということだそうです。

でさらに話がややこしいのが、

この避難してきた友人、薬物過剰摂取の傾向があり、

病院に救急搬送されたことも何度かあったとのこと。

また、双極性障害の傾向もあり、軽度の発達障害精神障害の可能性もあるようです。

 

相談なんですが、この彼女、母親からの虐待から逃れるため、避難してきたのですが、

保険証等の重要書類を母親に隠されてしまったままで、

今後の生活の見通しが立たない、

病院にかかることもできず、そしてアルバイトをすることもできない、

何とか母親の元には戻らず、暮らしていきたいとのことでした。

 

現在の僕にできることといえば、恐らく、公共的な専門の相談機関につないであげることでしょう。

そこで、かつて何度か一緒に仕事をしたことのある、社会福祉協議会に連絡してみました。

社協の相談担当職員さんから、市役所の女性問題専門の相談員のことを教えていただき、

そちらにも連絡してみました。

そして早速、大阪から逃げてきた当事者の彼女と、

僕に相談してきた彼女をかくまっている学生と面会していただけることになりました。

 

もうこの際ですから、アッシー君も仰せつかることにし、

大津市役所まで、送迎をしました。

担当が女性問題専門の専門員ということで、

僕は相談の場には立ち会いませんでしたが、

相談を終えて、戻ってきた二人の瞳は、

新たな生活の可能性について前向きなアドバイスが得られたということで、

ぴかぴかと輝いてました。

 

僕は、かつてのコネクションを活かして、連絡の労をとっただけですが、

二人の若い女性の困りごと解決の一端を担うことができたようです。

相談を持ち掛けてきた女子学生によく思われたいという、若干の下心はありましたが、

しかし、人は人と人のつながりの中でこそ生きていけるんだという、

とっても当たり前のことが実感できた午後でした。