僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

今年も俺流で王道を追求します

飲酒歴40年、断酒歴7年と11ヶ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル65。

本日もリスボンの、今日は音楽ネタです・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

新年も3日目、

もともとイベント臭の乏しい僕のお正月、

3日目ともなりますと、ほぼ、普通のお休みの日です。

まだ年明け、あと6コマ分の授業の準備には取り掛かっていませんが、

ミュージシャン修行は、通常モードに戻して、練習のピッチを少しづつ上げています。

 

On Green Dolphin Street という、ジャズ・スタンダードの名曲があります。

もともとは映画音楽だったようですが、

現在では、プロもアマチュアも、楽器プレイヤーであれば必ずレパートリーに加える、

いわば必修科目のような曲です。

曲の構造は、半音進行で和音が下降する部分と、

ジャズの基本ともいうべき、Ⅱ-Ⅴドミナント・モーションの部分が巧みに組み合わされており、

キャッチーでありながらも、噛めば噛むほど味が深まり、且つ課題も深まっていく、

演奏しがいも聴きがいもある、印象深い名曲です。

 

もともとが映画音楽ですので、歌詞もあり、ジャズ・ヴォーカリストによる名演も少なくありません。

僕も2年ほど前から、僕の歌レパートリーに取り入れようと思い、練習してきました。

年末からこの曲の歌の練習にあたって、

とてつもなく当たり前だけれど、ついついサボってしまう課題に取り組んでみました。

それは何かというと、歌詞を完全に暗記することです。

 

それほど長い歌詞ではありません。

ですが、短期記憶メモリーの性能の低下が著しい高齢者にとっては、

少々、気合が必要でした。

何とか覚えました。

歌詞を見ずとも、歌えるようになりました。

 

その結果、これも当たり前といえば当たり前なのですが、

しかしだからこそ重要なポイントを知ることになりました。

 

解釈にもよるのですが、この曲のメロディーの最後に、

Ⅱ-Ⅴドミナント・モーションを繰り返す部分があります。

バッキングは同じコード進行を繰り返すのですが、

メインメロディーは、少しばかりハイノートを交えた変化を加えていきます。

 

歌詞が頭に完全に入っていない段階では、

このハイノートを畳みかける部分で、声が十分に上がりきらなかったのですが、

歌詞を覚えてしまうことで、恐らく歌う時の大脳の負担が軽減されたのでしょう、

楽に音程を持ち上げることができるようになりました。

さらに自分なりのメロディーラインを工夫することもできるようになり、

表現の幅が格段に広がりました。

 

ヴォーカリストが歌詞を完全に頭に入れて歌う、

当たり前のことのはずです。

しかし少なからぬ数の多くのジャンルのヴォーカリストが、

この当たり前をさぼっています。

僕も弾き語りに当たっては、歌詞付きの楽譜や、歌詞を見ながら歌うこともあります。

 

でも今回の当たり前の発見を当たり前として受け取ると同時に、

当たり前をクリアーすることで、さらなる表現のレベルアップが可能になることを知りました。

今年も課題がたっぷりです。

毎日、楽しく頑張ります。