僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

神様は時に残酷です

飲酒歴40年、断酒歴7年と11ヶ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル65。

本日もリスボンの、今日は神様を恨みます・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

 

時々僕は、最近の若者たちの知的能力の低下について嘆いています。

特に僕が仕事の上でずーっと付き合ってきた、アートを学ぶ大学生たち。

20世紀や昭和の感覚からすれば、

おめぇら、本当に高校まで行ったんか?

というような学力の子がごろごろしています。

 

これは彼女・彼らが悪いのではなく、

僕たち、大人が、

彼女・彼らが本当の意味の勉強をしなくてもいいような教育制度を運営してきたからに外なりません。

 

もちろん、中には基本的な学力がしっかり鍛えられている若者もいますよ。

でも一般に私立の美大で学ぶ若者たちの学力は、

それはほれぼれしますよ。

 

でも僕は、学力の低さゆえに、彼女たちをバカにしたり、嫌ったりすることはありません。

高校まで学ぶことができなくても、大学から好奇心を輝かせて自らを鍛えればよいのです。

そんな若者たちの手助けをしてきた40年間であったと思っています。

 

今日、勤め先の大学の専用メールアカウントに、

とてつもなく悲しい知らせが届きました。

卒業に1年余分にかかってしまい、

5年目の今年、何とか卒業できそうなところまで来ていた一人の女子学生が、

年末に亡くなっていたという知らせでした。

 

詳細は全く書いてありません。

病死ではないと思います。

この後期、僕の授業を2科目登録しており、

時々、声もかけてきました。

今年は何とか卒業できそうですという、元気な声を何度も聞いています。

 

決して学力の高い学生ではありませんでした。

現代美術を専門としていた彼女は、

しかし自らが表現したいことについては、

しっかりとした意志をもって取り組んでいました。

 

23歳、なんぼ何でも、早過ぎます。

僕には神様を恨むことしかできません。

合掌。