僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

一周廻って受けているのかも?

飲酒歴40年、断酒歴8年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル65。

本日もリスボンの、意外といえば意外・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日も日中は、研究室の後片付け、

そして夕方からは、お客さんとして地元のライブハウスのセッションに参加してきました。

 

研究室の後片付けですが、

僕は、図書や画材の類はできる限り学生たちに譲ろうと思っており、

学内ネットワークを通じて、「もってけドロボー市」と称した、無料頒布会を行っております。

 

画材等については比較的早くからドロボー市に出品できていたのですが、

図書資料については、僕の裁量で処分してよい資料の確認に少しばかり時間がかかり、

3日前からの無料頒布になってしまいました。

 

今日は土曜日、スクールバスが運行されていないこともあり、

学内にあまり学生の姿はありません。

研究室の後片付けをしながらふと外を見ると、

僕の最後の後期の授業に熱心に出席してくれていた新4年生の Y さんが学内を歩いていました。

ふと思いついて、Y さんにショートメッセージを送り、

図書無料頒布会について知らせました。

 

2時間ほど後に Y さんから、今から行ってもいいですかという返事が来たので、

待ってますと送り返すと、

Y さんはクラスメートともにやってきて、

頒布対象の図書資料の検分を始めました。

 

グラフィックデザインを専攻している Y さんは、

僕がきっと彼女の目にとまるであろう資料をピックアップしていましたが、

クラスメートの女子学生は、僕が若い頃に収集していた、

19世紀のイギリスの装飾に関する資料に熱い視線を向け始めました。

 

ふと思いついて、僕が処分に少し困っている、LP レコードも提供することになり、

現物を検分してもらい始めたところ、

意外というか、むしろ当然というべきか、

強い関心を示してくれました。

 

2002年生まれの彼女たちにとって、ムッチャ、アナログなメディアであり、

今となっては信じられないくらいバカでかいパッケージに入れられた、

この LP レコードというアイテム、

恐らく、あまりにトレンドの逆を体現しているがゆえに、

魅力的に映ったのでしょう。

僕が若い頃に持っていた感情とは明らかに異なる感覚で、

何枚もの LP レコードを物色していました。

 

僕たちが若い頃に必須の、

そして少しばかり高価であったがゆえに貴重なアイテムであった LP レコードに対して、

40歳も歳の離れた若者たちが熱い関心を示してくれています。

ジェネレーション・ギャップという感覚は確かに存在しますが、

どうやらそのギャップは、いくつかの段階をめぐると、元の位置に重なってくるようです。

まさかこんな LP が受けるとは。The Work "Slow Crimes"

若い頃にヤンチャの限りを尽くしてきた不良初期高齢者としての僕たちにとって、

若者たちからある種の憧れの視線を送ってもらえる日々が来ているのかもしれません。

人生って、案外、歳を食ってからの方が面白いのかもしれませんね。