僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

久々の遠足

昨日(4月12日)、退院後(というか、発症後)、始めての、そして久しぶりの遠出をしました。

行き先は京都です。遠出という割には近場ですが、移動の半分近くを歩いたということで、遠出の遠足といってもいいですよね。

まず、地下鉄「東山」から京都国立近代美術館へ。

今、京近美では、「Order Reorder」と題し、近美のコレクションを、キューレーターが新たな観点から新しい展示の仕方を試みるという、なかなか意欲的な企画展をやっていました。

作品の半分ほどは、コレクションからのセレクションということもあり、すでに見たことがあるものなのですが、今回は敢えて作品を見て回る道筋を指定していない、殆どの作品が写真撮影OKである、等の、日本で通常開催される展覧会とは異なる特色があり、おもしろい作品展になっています。

作品を見ながら会場をまわっていると、何か既視感が沸き起こってきました。そう、昨年の夏にパリで訪ねたパリ市立近代美術館の展示方法を思い出したのです。
発病後、しばらく海外出張は無理かなと思っていたのですが、またヨーロッパに行きたい、という希望が湧いてきました。

京近美の次は、円山公園を経由して高島屋の美術画廊を訪ねました。

平日にもかかわらず円山公園、多くの観光客がいましたが、中国からの旅行客の多さには、改めて驚かされました。またすでに殆どの桜が葉桜になっていましたが、花見の場所取りをしている若者のグループも見かけました。

高島屋で主に陶芸の作品展を楽しんだ後、京都駅まで歩きました。

発症前は、このルート(岡崎、四条河原町、京都駅)を歩いて回ることは、多少の疲労感はあるものの、僕にとって特に肉体的にハードなものではありませんでした。

しかし、今、肝臓を患った身になってみると、かなりきつい道のりになっています。
途中、何か所か、座って5分ほど休憩しました。以前にはなかったことです。
また、帰宅後、すぐに4枚のサロンパスのお世話になり、また、ブツブツマットの上で足踏みをし、足の裏を刺激とその快感にしびれていました。

もちろん、入眠はあっという間でした。

退院後、少しずつ歩くことによって体力の回復を目指しています。
しかし正直言いますと、なかなか発症以前の体調には戻りません。
ま、焦ることはないでしょう。
こうやって歩こうという気持ちがワクワク感とともに起こり、多少、時間はかかったものの、自力で帰宅することができたわけです。
じわじわと、病気と付き合っていくだけですね。

なお、今回の京都行き、ある不安がありました。
それは歩いている途中にコンビニに入り、酎ハイを購入してしまうのではないかという不安です。
また、京都駅のホームでも、酎ハイの誘惑に負けてしまうのではないかという不安でした。
(かつての僕にとって、京都駅の3番線ホームは、酎ハイがつきものでした。)

しかしどちらの心配も杞憂に終わりました。
以前であれば、歩いたことに対するご褒美として飲酒を勝手に許可していたのですが、
昨日は、せっかく歩いて気持ちがいいのに、それを一杯の酒が台無しにしてしまうのではないか、と感じるようになっていたのです。

これは、40年の筋金入りの酒飲みからすれば、驚くべき変化なのでしょう。
しかしありがたいことに、今の僕にとって、酒は飲みたいものでもありますが、飲むことによってせっかくの体調を崩してしまう、悪魔の飲み物でもあります。

寝室から居間に降りる階段、いつもよりはのろのろと下りましたが、特に筋肉痛もありません。
体が動く間は、動かそうと思います。

記 自宅(9:20)→(自家用車)→湖西線某駅→地下鉄東山駅(11:00)→国立京都近代美術館→円山公園→京都高島屋(13:30)→(御幸町通り、烏丸通)→京都ヨドバシ→京都駅(15:00)→湖西線某駅→(自家用車)→自宅