僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

現代美術はおもろい(2)

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本格的に通常の生活に復帰、でもアル症と肝硬変、ダブルパンチとは一生、お友だち、ダブルパンチ・リスボン、57歳です。

さて、本格的な仕事復帰の最初のイベント、今週、火曜日から木曜日までの東京出張ですが、
結果としては、
展覧会4本、施設訪問1箇所、ということで、数量的にはあまりこなすことはできませんでした。

しかし、内容面に関していえば、どれも今後の僕の研究にとって重要な意味をもつことになりそうです。

で、写真ですが、1日目、火曜日の2か所目の調査対象、東京オペラシティ―、アート・ギャラリーで開催中の
「ライアン・マッギンレー Body Loud」展の、1作品です。

現代美術の多くのアーティストが、写真を、写真という独自の文脈からではなく、自らの表現のためのツール、或いはメディアとして用いて、表現を展開しています。

マッギンレーについてはよく知らないのですが、いわゆる写真家という文脈ではなく、現代美術におけるフォト・アーティストとして作品発表を行っている作家だと思われます。

今回の展示は、彼のこれまでのポートレート作品の集大成だと思われるのですが、中でも圧巻だったのが、ここにアップしました、巨大な壁面に、それぞれも1点としては大判の肖像写真を、約、500点近くを張り巡らせた、写真インスタレーションです。

この迫力は、インスタレーションの現場に立ち会わないと、絶対に体験できないものです。

壁面に写真を直に貼り付けるという展示方法は、写真を楽屋フォトフレームに収めてから展示するという、従来の写真作品の展示とは異なる方法です。
ものとしての、貴重な画像を固定させた平面としての写真よりも、写真というツールを駆使することによって、誰も経験したことがない空間を実現すること、新たな空間体験を提供すること、
アーティストの意思は、ギャラリーの積極的な作品体験に対する意志に向かっているのです。

以前に、森村泰昌の展覧会について投稿しました。
森村も写真を独自の方法論でツールとして用いるアーティストです。

マッギンレーもまた、森村とは異なる文脈から写真の可能性を追求しています。

現代美術は、好きなように楽しむことが許されている表現領域です。
決して、お勉強の結果として楽しむような対象ではありません。
今後もそんな現代美術のおもろさを、僕なりに発信していきます。

というわけで、(どんなわけで?)皆さんも僕も、今日もご機嫌さんで、LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフを続けましょう。