僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

アマチュア・ミュージシャンの1日

リオ・オリンビックも、無事、閉会式を迎えました。
暦の上では、暑い夏はもうすぐ終わりますね(季節としての夏はまだまだ続きそうですが)。
断酒生活者となって初めての夏、無事に乗り越えることができそうです。
アル症と肝硬変、ダブルパンチとお友達、リスボン、57歳。

本日も、リスボンの気まぐれ・ノープラン・ブログ、ご訪問、ありがとうございます。

さて、昨日は、恒例のイトーヨーカ堂奈良店でのライブ演奏、行ってきました。
人前での音楽演奏を趣味とする男の1日、ご紹介します。

昨日は、演奏が午後1時と午後3時の2回ということで、バンドの会場入りを10時30分としています。10時30分に確実にイトーヨーカ堂奈良店に到着するために、余裕を見て、8時45分に自宅を出発します。
湖西道路・名神高速・第2京阪・京奈和道と経由して車を走らせます。途中、渋滞もなく、快適なドライブ。
(ただし、昨日は、いつも助手席にいる天使ちゃんがいなかったので、泣きながらの運転でした。嘘)

10時過ぎにイトーヨーカ堂、業者用搬入口に到着。10時30分より、機材を店内に運び込みます。

実はアマチュア・ミュージシャンとプロ・ミュージシャンの行動の第一の違いがここにあります。
プロは、体一つだけ会場に持っていけばいいのですが、アマチュアは音を出すために必要なもののうち、会場に常設されていないものについては、自分で運び込まなければならないのです。
僕の場合、キーボード1台、アンプ+スピーカー1セット、各種コード一式を運び込みます。
会場がイトーヨーカ堂ですので、商品搬入用の台車を借りることができ、業者用の荷物搬入用のエレベーターを用いることができますから、他の会場、コンサートホールやライブスタジオ等よりは、搬入はだいぶ、楽です。

ほぼ、11時過ぎまでにステージ・セッティング、終了。サウンドチェックを兼ねた簡単なリハーサルを12時まで行います。

12時、イトーヨーカ堂の食品売り場で昼食を購入し、控え室で打ち合わせをしながらランチ。ここで、その日のプログラムを決めます。

1時、1回目のステージ。昨日は、2時から別のイベントがすぐ近くの島村楽器さんで予定されていたので、1時45分には1回目の演奏を終了。

3時より、2回目のステージ、2回目は、時間をあまり気にせず、たっぷりと。実際に終わったら、4時30分になっていました。

演奏終了後、のんびりと搬出。
5時30分にはそれぞれ楽器の積み込みを終え、軽くミーティングを行って解散。

自宅に着いたのは、7時でした。

僕たちがイトーヨーカ堂でのライブ演奏を大事にしていることには、幾つかの理由があります。

まず第一に、そして一番大きな理由ですが、この演奏にあたっては、誰と誰との間にも金銭の移動がないことです。
イトーヨーカ堂は、僕たちに謝礼を払うわけではありません。
僕たちもイトーヨーカ堂に会場使用料を払いません。

お客さんは、たまたま来てくれた人たちで、お買い物にお金を使ってはいるでしょうが、僕たちの演奏を聴くために特にお金を払う必要はありません。

ただし、僕たちは、楽器の運送からランチ代、そして演奏そのものに関しても、完璧な持ち出しです。

つまり、誰と誰との間にも、金銭を介したことによる、いかなる束縛的な条件も発生しないのです。

実はアマチュア・ミュージシャンにとって、演奏を行うための金銭の移動は、結構めんどくさい問題なんですね。
ライブハウスで演奏を行う場合、大抵、ライブハウス側がバンドに対して一定の額のチケットの買い取りを条件づけます。
バンドは、メンバーごとに負担しながら、そのチケットを売ります。
(大概は知り合いにお願いして買ってもらうことになります。)
そして、設備の充実したライブハウスではありがちなことですが、設備の使用料やエンジニアの技術料がバンドに請求されます。

またなんらかの音楽イベントに参加するときも、出演料を払うのが普通です。

マチュアのパフォーマンスは、プロのパフォーマンスとは異なった意味で、金銭の移動という商業性を伴うことが圧倒的に多いんです。

イトーヨーカ堂での演奏は、僕たちの持ち出しによって賄われていますが、その金銭の移動は、全くの納得の上ですし、他の誰にも負担を求めないという意味では、非常に気楽です。
また、1日の交通費等で考えれば、額としても知れています。

そして何よりもありがたいのが、ステージングに関して、完璧にバンドに任せていただけているという点です。
つまり、演奏内容に対して、イトーヨーカ堂側からの条件付けは、一切ないのです。
好きなようにやらせてもらっています。

ここでポイントになるのが、音楽の力点をどこに置くのか、という多少なりとも、芸術学的な問題です。
僕は、ジャズの面白さの一つは、バンドと客席の一体感にあると考えていますので、バンドの独りよがりの演奏をしようとは思っていません。
僕たちの独自性を発揮しつつ、それを共犯者として楽しんでいただく、それがジャズという音楽の醍醐味の一つだと思っています。
それほど多くの方が聴きにこられるわけではないのですが、幸いなことに40人前後の方がそれぞれのペースで僕たちの演奏を楽しんでくださいます。

僕たちバンドは、バンド内の相互の音のやり取りを楽しみつつ、お客さんの反応にも感謝しながら演奏しています。

というわけで、ぱっと見、ショッピングセンターのイベント広場での演奏という、あまりかっこよくない設定に見えますが、僕たちにとっては、贅をこらし、最新の音響設備を備えたコンサートホールでの演奏よりも、はるかに充実した時間を持つことができるのです。

以前ですと、1回目と2回目の演奏の間に、ちょっと飲んでしまうのですが、今はもちろん、それはありません。冴えた頭で、でも情熱的な時間を楽しむことができるのです。

僕は、幸せ者でしょう。
逆にプロ・ミュージシャンの道を選ばなかったことが、贅沢な結果に繋がっているのかもしれません。
音楽は、僕の断酒ライフの大きな原動力になっています。

ちょっと、自慢ボイ、ブログになってしまいました。
皆さんも僕も、今日もご機嫌さんで今日も
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続しましょう。