僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

専門家の見識

年末だそうです、アル症です、肝硬変です、元気に見えます、元気です、リスボン、58歳です。

本日もリスボンの、刹那判断・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

毎回イントロでも書いていますように、現在の僕は二重の不治の病と共に暮らしています。

その一つ、肝硬変は、非可逆ステージに達していまして、
体内に取り入れたアルコールの分解がほぼ無理な状態は、一生涯続くとのことです。

また、もう一つの病、アルコール依存症は、
皆さんもご存知のように、
こちらも回復する可能性はありません。

しかしどちらもアルコールの摂取さえ控えれば、日常生活にはほとんど問題は生じません。
断酒ライフを充実したものにするためにも、毎日ブログを書き、
また先輩や同志のブログを閲覧しています。

真面目にかつ楽しく、2回目の人生を送っています。

ですが・・・・

少し前のことになりますが、
この僕の気持ちを少しばかりトゲトゲさせる出来事がありました。

とある専門家たちの、ご本人たちとしてはどうという他意のない発言です。

僕の主治医である消化器科の先生の指示から、肝臓のエコー検査を受けました。
エコー検査を行う医師は、おそらくそのための専門の資格なり知見なりをおもちの専門家の方だと思いますが、
検査を行った医師も、データ確認のために画像確認を行った医師も声をそろえて、
そして多少の笑いとともに(その笑いの意味はわかりません)、
「どれだけお酒飲んではったんですか~」
とおっしゃったんですね。

僕の中で、3本ほど何かが、稲妻を発しながら切れました、ブチっと。
もし僕が、反社会勢力的適性を持った人物であったのであれば、
低い声で「何やて」とつぶやき、睨みつけたことでしょう。

幸か不幸か僕の中には、反社会勢力的適性は陰湿な形でしか潜んでませんので(もっと悪いか)、
しばらく沈黙を保ったのちに、「多い時で焼酎を5合ほど」とボソッと答えるのが関の山でした。

何が気に障ったのかというと、なかなか表現が難しいのですが、
できる限り単純化してみると。

アル症の自分は、過去の自分と訣別して新しい人生を送っている、
確かに今の俺は過去の過度の飲酒が原因でこうなった、しかしその裏にはいろいろあったんや、
そのいろいろには気ぃ使わんと、肝臓のエコー画像を見ただけで、俺の過去について気楽に話題にせんといてくれや。

と言ったところでしょうか。
もう少しややこしい感情があったようにも思いますが、
肝臓からもたらされる一部の情報だけで俺の人生に踏み込まんといてくれやということですね。

お二人は先ほども予想しましたように、
専門の医師です。
おそらくエコー診断から内臓の状態について診断を下すことに関して専門的な知識と技量、そして経験をお持ちだと思います。

しかし人間、肝臓や内臓だけでできとン、ちゃうで。
いろいろあって人間やんけ、われ。

実は僕もそうなんですが、専門家は、
下手に専門に秀でており、社会的にも評価されているが故に、
他の要素に意識が行きにくいきらいがありますよね。

で、お医者さんですが、その重要な社会的役割故に社会的信頼は必要以上に高くなります。
でも医師も所詮は一人の専門家にすぎません。
医師の把握する人間とその情報は生命の存続に関わることが少なくありませんので、
彼らの一言一言は重要なことが少なくありません。

ですからこそ、一言一言に、その一言一言が相手にどのように響くかということに、
少しでもいいから想いを馳せて欲しいと思います。

もちろん、一言一言が自分に返ってくることも十分に意識したいと思います。

しかしドクターにはお世話にならないわけにはいきませんね、少し悔しいけど。

悔しさを意識しつつ皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。