僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

悪意なき抑圧

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飲酒歴40年、断酒歴2年と少し、福祉関係歴20年ほど、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、ちょっと混乱・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


今日の午前中は、僕が代表を務めている障害者の余暇活動支援サークルの活動に久々に顔を出してきました。

この集まりはもともとは、
音楽や美術を通して特別支援学校に通っているこどもたちの放課後活動を応援していこうということで、
10年ほど前に始められました。

当時、中学部の生徒だったみんなも、今では社会人となり働いています。

今日は、ハンドベルによるアンサンブルと、ヘルマンハープの合奏の練習を行いました。

ハンドベルの合奏は面白いですよ。

といいますのも、
全員がメロディーやハーモニーを共同で作り上げるアンサンブルにおいては、
一人ひとりのプレイヤーの能力差は、ほとんど意味を失うからです。

つまり、知的な障害のあるなしが全く意味をもたなくなるんです。

そういう意味では、本当の意味でのバリアフリーなアンサンブルの形態ともいえます。

僕も全員のパートを頭に入れながら、大汗をかきながら指揮をしました。


ところで休憩中のことですが、
比較的、新しいメンバーのボランティアの紳士から次のように言われました。

「先生、まだお酒、やめてはるんですねぇ。えらいですねぇ。」

彼は僕の断酒ライフの継続を素直に称賛してくれたわけです。


しかし僕は、すなおに喜ぶことができませんでした。

喜ぶことができないだけではなく、彼の悪意なき一言にたとえようのない不快感を感じてしまいました。


僕があまのじゃくだったのでしょうか。

多分、それもそうだと思います。


この方には、僕が肝臓を患ったことは伝えてありますが、アルコール依存症であることは知らせていません。

というのも、このちょっと癖のある精神疾患についてどのくらいご存じなのか、わからなかったからです。


精神疾患と無縁の善人にとっては、精神疾患そのものが理解を超えたものです。

ましてや、一度アルコールを口にしてしまうと、
飲酒のコントロールができなくなってしまう僕たちの病気、
経験者以外には、なかなかその実像は理解できませんよね。

そしてこの方は、ごく普通の善人なのです。


そのような方から断酒継続に対する賛辞をいただく、
普通は名誉なことと考えてよいはずです。

しかし僕は、言いようのない抑圧を感じてしまいました。
僕の感じた抑圧的な感情の正体は、まだよく整理できません。


でもこの感情を律することも僕たちに課せられた罰かもしれませんね。

この辺りの理屈については、これからも考えていきます。



写真は、今朝、わが愛車、カローラ31万キロ君が道に描いた、ホイールドロウイングです。

思考力を維持するためにも

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。