僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

世界に通じる言葉

イメージ 1

イメージ 2

アル症・肝硬変、でも人生楽しんでます、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、少し自慢・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


突然ですが、僕の断酒ライフを支えてくれているものはいくつもありますが、
中でも僕がミュージシャンであり、しかもピアニストであるということは、とてつもなく大きな意味をもっています。

年に何回か行っているバンドでのライブ活動は、僕の生活の最も華やぐシーンの一つですし、
仕事がらみにもなりますが、福祉関係の施設で利用者の皆さんと一緒に音楽を楽しむことも、大好きな時間です。

そしてそういった人と一緒に楽しむ機会を想定した練習の時間や作曲や編曲を行う時間も、
僕にとって、まさにこの僕という人間が生きていることを確認するための、とても重要な時間です。

つまり僕の生活の中でピアノに触れる時間はとてつもなく大事な時間なのですが、
残念ながら旅行中と入院中は、1日の中でピアノを弾く機会は、ほとんどなくなってしまいます。

入院中は仕方ないですかねぇ。

旅行中もピアノを弾く機会はまずなくなりますが、こちらも仕方ないといえば仕方ありません。
旅行中も普段を同じようにピアノが弾きたいというのは、とんでもなく贅沢な望みですよね。

今回のドイツ・イタリア出張も、ほぼ10日間に及びましたので、
ピアニストとしては少しばかり辛い時間になりそうでした。

なりそうでした、と仮定法過去形で書いているのは、
少しだけですが、旅先でピアノを弾く機会に恵まれたからです。

アメリカはまだ行ったことがないのでわかりませんが、
ヨーロッパでは駅や空港の待合場所にピアノが置いてあって、
誰でも弾いてください、という状態で解放されている場所が少なくありません。

たいがいそういう場所のピアノは、調律をはじめとするコンディションはむちゃくちゃです。
しかし腐ってもピアノはピアノ、ピアニストとしては存在を確認するや否や、
俺に弾かせろ~っとパブロフの犬状態になって、目線がピアノにくぎ付けになります。

今回の出張でも、
ヴェネチアのサンタ・ルチア駅と、トリノポルト・ヌオヴァ駅の構内でピアノを見つけ、弾く機会に恵まれました。

ヴェネチアでは、列車待ちの30分の間の15分ほど、
そしてトリノでは夕食を終えてホテルに戻る前の20分と、翌日の列車待ちの30分ほど、
ピアノを弾きました。

特にトリノの駅のピアノは、常に誰かが弾いている状態で、多くの人びとが足を止めて聴いてくれています。

ほとんどのプレイヤーがクラシックの曲を弾いているので、
イタリアではジャズピアノはアウェイかなと心配しながら弾いてみると、
何人もの人が足を止め、聴いてくれました。
中には、手拍子や指パッチンでリズムをとってくれる人もあり、
僕自身も楽しみましたが、楽しんでももらえたようです。

写真を撮っていた人も少なくありません。

誰か動画を記録していて、YouTubeにアップしてくれへんかな。

演奏後には一人のジェントルが寄ってきて、
日本人やな、ホンならリューイチ・サカモトは知っとるやろ、と声をかけてきましたので、
戦場のメリークリスマスのメインテーマを弾くと、ビューティフル、ビューティフルと大喜びをしてくれました。

当たり前といえば当たり前ですが、やはり音楽のもっている、人と人をつなぐグローバルな力を思い知らされました。

言葉は理解しあえるほうがいいのですが、
僕たちにはスマイルという、これまた世界共通のコミュニケーション・ツールもあります。

そして音楽は、スマイルとペアになった時に、ホンマに力強い世界共通の言葉になります。

列車の出発時刻が迫ってきたので、拍手に包まれながらプラットフォームに向かいましたが、
正直、感動しました。
ピアニストでよかった、と心の底から思いました。

まだまだ生きていきます。

写真の黒いピアノがトリノの駅のピアノ、
赤いピアノは、今回の旅行とは関係ありませんが、パリのシャルル・ドゴール空港のピアノです。

いつものように
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。