僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

そば前

再飲酒欲求はほぼありませんが、糖分に対する欲求が半端ないです、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、つるつるっ・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


世の中はホンマに年末モードに入りましたね。

僕の勤務先でも、事務方さんたちは昨日と今日で、仕事の締めを終えられたようです。

僕ら教員は、年中無休、年中夏休みですから、ほとんど関係がありませんが、
今週の金曜日から研究室も使用できなくなります。

論文を一本仕上げようと思っていますので、明日にでも最低限の資料をもって帰ることにしましょう。



ちょっと本屋さんに寄ってみましたが、
料理関係の雑誌コーナーの表紙の集団がどことなく色味が少なくなっていました。

なぜかというと、
おそばを取り上げた特集号やMookムックの類が多く並べられていたからでした。


そば、

かつてもう少し金回りが良く、酒を楽しんでいた(酒に蝕まれていた?)頃の僕は、
そば好きを自認していました。

食通、そば通を自称する輩の言説に踊らされて、
めんどくさそうなおやじがそばを打っている店で、
一枚千円くらいしそうなざるそばを頼み、

ちょこっとだけ汁をつけてずいずい~っとすすっていました。

美味しかったと思いますよ、たぶん。

もちろん、がっつり系の味覚ではありません。

味覚というよりも嗅覚や触覚を楽しむ食べ物とでもいうべきでしょう。

そのころは満足していたようです。


ところで、蕎麦屋といえば、昼間からお酒を飲んでいい場所ということになってしまっているようです。

もちろん、昔からそうだったのでしょうけど、
昼日中から蕎麦屋で酒を飲むのが大人の楽しみという考え方を広めた一人として、

ユニークなマンガやエッセイを著しながらも、ガンで早逝してしまった杉浦日向子氏を挙げることができますよね。


杉浦さんはこどものころから酒をたしなんでいらしたようです。

直接の死因は癌、そしてもともと血液系の難病と闘う人生を送ってらしたようで、あまり語られることはないようですが、

アルコールの過剰摂取が彼女の死を早めたのもたぶん、間違いないでしょう。


若造の居酒屋でのどんちゃん騒ぎとは異なる、節度をわきまえた酒の楽しみ方を伝えてくれていた杉浦さんですが、

残念ながら昼のみの勧めは、アルコール依存者を生み出してしまう結果につながりがちであったことも事実でしょう。

僕は蕎麦屋でそば前を楽しむという習慣はありませんでしたが、
静かな大人の楽しみとしての昼酒に対する彼女の主張には惹かれる部分があり、

決して杉浦さんのせいではありませんが、彼女のエッセイが、
昼酒、そして朝酒へと転落していくアクセルに足をのせてしまうきっかけとなったのは否定できません。


機会飲酒者が、例えば旅先等で昼酒を楽しむことは問題ないでしょうが、
習慣飲酒者の後輩たちに対しては、その先に危険な穴が開いていることを伝えるべきでしょうね。

僕たちの果たすべき役割はありそうですね、やっぱり。

そしてそのためにも

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。