僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

僕の闇

飲酒歴40年、断酒歴3年と4か月、不良初期高齢者、リスボン、60歳。

本日はリスボンの、今日は重くなりそうです・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。


昨日、川崎で起こった理不尽な事件、

何分にも犯人が死亡しており、
また長年の引きこもり生活のため、
事件の背景や犯行の動機については、
恐らく明らかにされることはないでしょう。


一つ気にかかるのは、
狙われたのが私立小学校の児童たち、
それもいわゆる名門といわれている小学校のこどもたちだったという点です。


あの二十数年前の、大阪教育大付属池田小学校の事件の時も、
名門とよばれる学校が狙われました。


僕は大学でデザインの歴史を講じていますが、
その中で産業革命とイギリス社会の階層構成の変化について話す回があります。

そして現在の日本が、
全世界史を通じても、稀有なまでに平等で誰にもチャンスの開かれた社会であると伝えてきました。

恐らく、20世紀の間は、僕の主張は正しかったと思います。

しかし、21世紀に入ってから、現在の日本の社会の平等性について、
かなり注釈を付けくわえながら説明するようになってきました。

そして最近では、

現在の日本は、
階層差はまだ形成されてはいないが、
格差は生じてしまった、
しかし格差を乗り越えるチャンスは、
縮小しながらもまだ残っている、
君たちにもチャンスは開かれている、

と説明することで、
若者たちを鼓舞しています。


しかしそのように若者たちをあおりながらも、

多少、無理して話しているよなという、後ろめたさも感じています。


時代が嫌な流れに乗ってしまっているのは、否定できません。


そして正直に告白しますと、

一度、負のスパイラルに陥ってしまった感覚は、
そう簡単にはポジティブな姿勢に戻らないということを、

僕は僕自身の人生の中で経験し、
20年にわたって苦しんできました。


僕がアル症になってしまった遠因の一つにこの失敗があったのは、
間違いなさそうです。


詳しく語ることはまだご容赦ください。

僕自身の過失のために、
しかも決して許せるような性格のものではない過失のために、
僕は多くの人に迷惑をかけました。

そして制裁も受けました。

制裁は厳しいものでした。


しかし制裁を終えてからの、ほとんど無形といっていいような罰は、
さらに厳しいのものでした。

何をしてもすべてが裏目に出ました。

頑張って頑張っても、
誰も目を向けてくれませんでした。

誰も口には出しませんでしたが、

「お前の席を取っといてやっただけ、感謝しろよ」

といわれ続けているような気がしました。


もちろん、僕の思い込みも大きかったのでしょうが、
しかしこのような負のスパイラルに落ちた人間は、
弱いものです。


僕は今の日本社会が、
一部の人びとを絶望的な負のスパイラルに貶めることによって、
かろうじて成り立っているように思うこともあります。


僕の今日の感じ方は、
盗人猛々しさに満ちているとは思います。

でも、今の日本社会に広まる閉塞感に黙って従うことも我慢できません。


自分自身の甘さや過失に原因があったとはいえ、
闇を覗いてしまった精神病患者だからこといえる強がりはあると思います。

僕はまだまだ、慎重に強がりを言いたいと思います。

そのためにもいつもの気合です。


皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。