僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

もう涙は流しません、多分

飲酒歴40年、断酒歴3年と8か月、不良初期高齢者、リスボン、60歳。

本日もリスボンの、過去と未来・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

5年ほど前の思い出を一つ。

 

その頃の僕はまだ飲酒者で、肝硬変もアル症も診断されていませんでした。

しかしその2年ほど前から、収入が激減していました。

5月の連休中の一日のことです。

お金をあまり使わず休日を楽しむために、京都の市バスの一日券を購入し、

バスで京都市内をうろうろと観光しました。

上賀茂神社の神前で結婚式を挙げているカップルに遭遇しました。

幸せそうなカップルとご親族を遠目に見ながら、僕は泣いていました。

 

続いて2年ほど前のことです。

その頃の僕はすでに断酒者でした。

ショッピングモール内にある赤ちゃんを遊ばせるコーナーで、

多分、1歳未満の赤ちゃんを遊ばせている若いカップルを見ながら、

この時も人知れず泣いていました。

 

どちらも不細工な光景だったと思います。

白髪交じりのじじぃが理由もなくめそめそ泣いていたのです。

もちろん、僕には理由がありました。

 

新婚カップルを見た時は、

決してうまくいったとは言えない僕の結婚生活を悔いていました。

赤ちゃんと楽しそうに過ごすヤングカップルを見た時は、

俺にもあんな時があったという懐かしさと、

現状のギャップにショックを受けていました。

 

三者的な目で見れば、僕の家庭生活は決して崩壊はしていません。

特にこどもたちとの関係は、

彼女たちがアル症のどうしようもない親父に対して、

ある程度の距離を置きながら、でも見捨てることはなかったことによって、

人並みの関係を保てています。

 

しかしパートナーとの関係は、殆ど修復不可能です。

生き方や社会思想にするすべてのことにおいて、

まったく価値観が違ってしまいました。

あのバカ女には、

僕のADHD的な自己チュウライフスタイルは全く理解できないようですし、

加えてあの愚か者は、ポチ・シンゾー・アベの支持者という、

人間の屑です。

 

幸せそうな新婚カップルや、こどもに全力で愛情を注ぐヤングカップルを見て涙を流していた僕は、

恐らく後悔の念に苛まれていたと思います。

 

でも、今は違います。

今日もショッピングモール内の散策を楽しみましたし、

赤ちゃんコーナーでこどもと遊ぶヤングカップルも見ました。

 

今は後輩たちに、

今を精一杯、生きて楽しんでや、

そしてここにいるあほな人生の先輩と同じ轍を踏まんといてやと、

心の中だけですが、精一杯のエールを送ることができます。

 

くそのようなパートナーとは、形式的な婚姻関係を継続するだけです。

こどもたちはどんどんと自立していきます。

助けを求められれば、僕のできることはします。

 

多分僕は、人生の最後のステージに上がったのでしょう。

このステージは長く続きそうです。

しかしそのためには、断酒ライフを継続することが前提条件になります。

そしてその中で、高齢者なりの希望をもち、チャレンジを続けていくべきでしょう。

 

もう振り返って泣くことはありません。

過去を忘れ去るつもりはありませんが、

過去よりも現在、そして未来です。

薬物使用障害と仲良く暮らし続けるためには、

希望とチャレンジ精神が何よりもの特効薬のようです。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。