僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

ディストピアへの新たな案内役、量子コンピューター

飲酒歴40年、断酒歴3年と9か月、不良初期高齢者、リスボン、60歳。

本日もリスボンの、悲観論者のノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日のニュースから、どんでもないことかもしれない話題、一つ。

量子コンピューターという素人にはよくわからない代物の、

実用化に向けたプロセスがかなり進展したとのこと。

 

僕たち、20世紀を引きずっている人間にとって、

現在の一般的なコンピューターでさえ、その根本的な原理の概念的な理解はできているとはいえ、なぜ、どのようにして動いているのかということは、

全く理解できません。

ところが今日、話題に取り上げられた量子コンピューターというやつ、

現在の超高速スーパーコンピューターでも足元にも及ばないくらいのとんでもない演算速度を実現するそうです。

 

僕は高校までは理系の勉強をしていたので、

何とか特殊相対性理論までは、数式も含めて理解する段階を経験しましたが、

一般相対性理論から先の現代物理学の先端理論については、

全くついていけません。

ましてや、複数の状態の確率分布的な重なり合いを根本的な前提とするという量子力学については、概念的な理解ですらもお手上げです。

そして量子コンピューターというやつ、

この量子力学でいうところの、確率論的な分布の重なり合いという、物質の根本的な本質を利用しているらしいのですから、

絶対に理解できる代物ではないはずです。

 

コンピューターの爆発的な進化は、楽天的に考えれば、

様ざまな問題の解決を迅速かつ確実にしてくれるデバイスの実用化ということであり、

歓迎すべきことでしょう。

しかし、量子コンピューターは、少なくとも演算速度と確実性に関しては、

人間を、あるいは集合体としての人類の叡智をはるかに超える存在になり得ます。

もし量子コンピューターが、人類を不要のものとする結論を導き出した時、

僕たち、人類はどうするのでしょう。

人類がその進歩の証として算出した、ウルトラ便利の総本家、

スーパーコンピューター、しかしこの化け物マシンは、

人の理解をはるかに超える客観的なデータの積み上げを、

驚くべき速度で演算的に処理し、

そして地球とそこに暮らす多くの生き物にとっての最適な解を導き出すことができるに違いありません。

その解には、僕たち、人類の破滅を必然的な前提にする回答が含まれているかもしれません。

人類にとって破滅というディストピアの入り口を開ける神の使い、量子コンピューター、

しかしディストピアなのは人間にとってだけであって、

地球とそこに暮らす大多数の生き物にとっては、最善の解なのでしょう。

 

飽くことなき便利さの追求は、もしかするととんでもない悲劇を呼び起こすのかもしれません。

少しだけ僕たちと似ています。

飲酒による現実逃避という、中途半端な甘美さに耽ってしまった結果、

僕たちの精神は人間としての誇りを簡単に放棄できてしまう、化け物に生まれ変わってしまいました。

今人類は、AI依存症、あるいはAI使用障害を罹患する寸前の状況かもしれません。

 

少しでも長生きして見届けてやりましょう。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。