僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

遊戯店?の名前を晒す?

飲酒歴40年、断酒歴4年と3か月、不良初期高齢者、リスボン、61歳。

本日もリスボンの、これも社会派・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

この頃、毎日、英語のリスニングのためも兼ねて、

アメリカCNNテレビがネット上で公開している、

CNN10というニュース番組を欠かさず視聴しています。

このCNN10という番組、

かつてCNN Student News と名乗っていることからも分かるように、

そのときどきの話題を比較的、分かりやすい英語で語ってくれる、

生きた英語学習の優れた教材ともなり得る番組です。

 

今日のCNN10の最後に、

ヴェネチアの運河を優雅に泳ぐクラゲの姿が映し出されました。

ヴェネチアロックアウトされていますので、

観光地としての経済活動が停滞することにより、

海と直につながっている運河の水質が格段に向上したため、

クラゲをはじめとする生き物が入り込んできたということです。

 

別の回のCNN10では、

現在では北京以上にPM2.5汚染が進んでいるというニューデリーの大気が、

こちらもまた、経済活動の停滞によって、

かつての透明度を取り戻したことも伝えられてました。

 

新型コロナウィルス問題で今日、注目したいのは、

大阪府の吉村知事による、

営業自粛要請を受け入れないパチンコ店の店名公開です。

東京都でも同様の対応を検討中ということで、

確実に三密状態を創り出してしまうパチンコ屋の非常識に対する、

ある種の懲罰的な処置を狙ったものでしょう。

 

飲食店をはじめとする多くの店舗が、

それこそ命がけで営業自粛要請に対応していることを考えると、

営業を続けているパチンコ屋を非難すべきでしょうし、

そして間違いなく三密地獄が展開される店に、

嬉々としてやってくるパチンコファンの非常識さも責められるべきでしょう。

 

でも僕は、そのような社会正義に基づく感覚も共有しながら、

また別のことも考えちゃいます。

 

営業自粛に従わないパチンコ屋の経営サイドの言い分は、

比較的、明確です。

営業を自粛すると、従業員の生活を保障できなくなるというものです。

恐らく、遊戯店であるパチンコ屋には、

営業自粛に伴う金銭的な補填のシステムはないんでしょうね。

というのも、

パチンコは社会にとってまさに不要不急の存在であり、

庶民のガス抜きのためのある種の必要悪とみなされるからでしょうね。

 

しかし僕が複雑な思いを抱くのは、

明らかに賭博が行われる場所でありながら、

これまで営業が黙認されてきたことです。

パチンコ屋と政治がかなり奥の方で深く結びついていることは、

パチンコ業界について少しでもマジに第三者的に考えたことのある人ならば、

誰でも知っている、公然の秘密です。

今回の新型コロナウイルス問題でも、

一番最初に営業自粛が要請されてもよさそうな営業業態であるパチンコ屋に対して、

なかなか、自粛要請がなされなかったことからも明らかです。

 

これまで、誰かと誰かの複雑な利権の交錯を保証し、隠蔽するために、

パチンコ店は遊戯場として営業が黙認されてきました。

でもその実態は、

世界でも類を見ない、

日常生活空間の中に堂々と進出している、

恐ろしい鉄火場です。

博打は胴元しか利益が上がらないようになっています。

その胴元と誰が結びついているか、そしてそのことが白日に晒されると誰が困るのか、

今回の騒動は、やがてはそんなふうな、

この日本独特のギャンブル産業のもっていた、

本質的な危うさを曝け出すことになるでしょう。

 

そしてもう一つ、今回の吉村知事の懲罰的営業店名公開のもっているややこしさは、

営業していることが公示されることによって、

病的なパチンカーが街灯に集まる虫のごとくに集合することにもあります。

懲罰的な名前晒しでありながら、

営業を後押ししてしまう側面ももってしまいます。

そこに集まってしまう病的なパチンカーの全員が、

依存症を患っているとは思いません。

でも周囲から冷たい視線を集めるであろうことが明らかな行為に出てしまう熱心なパチンカーたち、

医療的な処置が必要な依存症者が何割か含まれ、

残りの全員が、依存症予備軍であることは間違いないでしょう。

 

僕たちの社会がもっていた病的な部分、

そしてみんながこれはおかしいよねと感じながらも、

何となく公的な権威との怪しげな癒着がありそうで、

大きな声で批判しにくかった社会のいろいろな闇、

今まさに、この社会の病気が一挙に白日に晒されつつあります。

ウィルスの問題が収束したとしても、

課題は一杯、残るでしょうね。

体力と知力、

そして感性と精神力をしっかり保っていかなくては。

そのためのいつもの気合、よろしく。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。