僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

百人百様の要と急

飲酒歴40年、断酒歴4年と3か月、不良初期高齢者、リスボン、61歳。

本日もリスボンの、これは腑に落ちました・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

これまで何回か、

社会全体の新型コロナウイルス問題対策としての、

「不要不急の外出を控えよう」キャンペーンに対して、

何か、納得できないようなぁということを報告してきましたが、

今日の朝日新聞のある記事のおかげで、

僕のもやもや感はかなり解消しました。

 

本日(5月13日)の朝日新聞、オピニオン欄に掲載されていた、

末井昭氏に対する聞き書きの記事です。

 

末井昭さん、なんか見たことのある名前だよなぁと思って経歴を見ると、

元「パチンコ必勝ガイド」の編集長、現在はエッセイストだそうですが、

「必勝ガイド」は、僕をパチンコに引き込むきっかけになった雑誌でもあり、

思い出深い名前だったのです。

 

末井さんの今日の主張を簡単にまとめると、

「社会の大多数にとっての不要不急は、誰かにとっての必要緊急かもしれない、百人百様の要と急があり、社会の最大公約数から導き出される不要不急は、時と場合によっては暴力的な制限ともなり得る」

といった感じでしょうか。

 

元パチンコ専門誌の編集者という経歴から末井さんは、

最近の営業自粛に従わないパチンコ店や、

遠出してまでもそこに通ってしまうパチンコファンに対する、

世間一般の容赦のない批判、あるいは非難に対して、

多様性を受け入れようとしない社会の危険性を感じているようです。

 

たしかに三密が形成される可能性の高い営業形態としてのパチンコ店、

そして基本的には遊戯場に過ぎないパチンコ店の、

世間の空気にあえて逆らおうとする営業姿勢に全く問題がないとは思いませんが、

しかし、行き過ぎた批判や、あるいは実力行使は、

この社会の最も醜い部分ともいうべき、同調圧力の発揮以外の何ものでありません。

 

末井さんは必ずしも、

無条件にパチンコ店やパチンコファンを擁護しているわけではありませんが、

しかし百人百様の要と急、もちろん、その裏返しとしての百人百様の不要不急があるという主張は、

傾聴に値します。

誰にとっても正義に見える主張にはしかし、

同調圧力を正当化してしまう暴力的な危険性を孕んでいます。

末井さんの主張は、

最大公約数的な解が必ずしも最良の解ではないことを教えてくれます。

僕の胸のつかえも少し下がりました。

 

今日の朝日新聞には、

デイブ・スペクター氏のオリンピックに対する面白い意見も掲載されていましたが、

それはまた別の機会にでもふれてみましょう。

 

多様性の大事さを確認したところでいつもの気合。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。