僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

新たなデジタル・デヴァイドに挑む?

飲酒歴40年、断酒歴4年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル61。

本日もリスボンの、敢えて逆流?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

Sars-Cov-2 問題、社会全体が少しずつ、

新しいステージに移りつつあるように見えます。

 

3月から4月くらいにかけては、

ウィルスの完全撲滅が目標だったように思われますが、

徐々に、ウィルスありきの新しい社会の在り方が関心に上るようになりました。

とにかく社会活動の基本は、人が集まり、人が出会うことだということで、

慎重な対策を取りながらですが、

様ざまな商業活動やイベントが再開されるようになりつつあります。

 

ただし、大学の多くは、まだまだ慎重な対応を余儀なくされています。

多分、ほとんどの大学で、

大学の教室での授業と、オンラインでの授業が併用されていくことになるでしょう。

 

とりあえず、オンラインでの授業をメインに展開された、

春学期の授業が終わりました。

僕も最初の頃は試行錯誤を繰り返しました。

そして最終的には、

無観客ライブ(無学生講義)を録画し、

その動画像をオンデマンドで配信するかたちに落ち着きました。

 

Facebook 上では、早くから、

この困難な時代の大学教育を考え、意見交換を行うグループが組織され、

全国の熱心な先生方が参加されました。

僕も閲覧のみですが、参加しました。

この会議室に参加された先生方は、

本当に教育や研究に熱意のある方々で、

閲覧させていただくだけでも、頭の下がる思いで、感心することしきりでした。

 

ただ僕には、どうしても納得することができない一つの懸念が、

小魚の骨のようにのどに引っかかったままです。

 

というのも、

多くのまじめな先生方で交わされた、

遠隔で授業を行う際の建設的な議論なのですが、

学生も教師も、オンライン上でのデジタル環境が準備されており、

ある程度のリテラシーをもっているということを大前提として行われている点に、

僕はどうしても、納得できない部分があるのです。

 

先生方は、インターネット上のデータのやり取りになれており、

Meet (だったっけ?)や Classroom (?)といった、

複数のユーザー間でやり取りするためのアプリケーションについて、熟知している、

学生たちは、全員がパソコンかタブレットを所有し、

使いこなすことができている、

どうもこれらのことが当然のこととして、議論が進められている、

そこに引っかかりを感じています。

 

つまりちょっときつい書き方をすると、

オンライン・ミーティングができない先生は、失格、

パソコンやタブレットを用いて、ウェブ空間で情報のやり取りができない若者は、

学ぶ資格なし、

そんなことが大前提になっているような気がして仕方がないのです。

 

しかし実際には、

自分自身の研究のための資料収集以外にウェブを全く使わない先生もいるようですし、

スマホしか触ったことのない学生も少なくありません。

そしてスマホの使い手であるはずの若者も、

せいぜいのところ、ラインでの情報交換とオンラインゲーム、

そして動画の視聴くらいしかできない子も少なくないようです。

 

所有していて当たり前、使いこなしていて当たり前、

この前提、僕は結構、残酷な決めつけじゃないかなと思うんですが、

どうでしょうか。

新しい技術環境にしっかりとついていけるかどうか、

本人の意識の問題もありますが、

社会的な環境や、

精神的な、あるいは心理的な個人的な資質も重要な前提条件になるはずです。

使えている人が使えない人を非難するのは簡単ですが、

使えている人にとって使えない人の使えなさを追体験するのは、たぶん無理でしょう。

僕はどうしても、ここに引っかかってしまいます。

 

できる人はできない人の気もちは理解できません。

絵を上手に描ける人は、全くできない人の感覚を共有することはできません。

努力が全てを解決するとも限りません。

 

デジタル技術に関していえば、

僕は実に中途半端な使い手です。

以前にも報告しましたが、エクセルが大の苦手ですし、

それから Meet にも挑戦しましたが、かなり初歩の段階で躓いたきりです。

 

そこで少しばかり、

デジタル・リテラシーの獲得についていけない人たちの立場に近づくことにし、

デジタル名人たちの親切なアドバイスが、

いかに無慈悲なものであるかを訴え続けようと思います。

昭和のひねくれジジィ、またひねくれる材料を見つけました。

 

憎まれっ子、世にはばかるためにも、いつもの気合です。

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。