僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

MRI でトリップ?

飲酒歴40年、断酒歴4年と8か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル61。

本日もリスボンの、僕は変かも・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は経験値を一つ上げてきました。

ちょっと怖いのですが、

肝臓がんの惧れがあるので、

MRI検査を受けてきました。

 

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僕はこれまでCT検査は何回か経験しています。

でもMRI検査は初めてです。

 

消化器関係の検査ですので、どちらも検査前に半日間の絶食を必要とします。

素人理解ですが、

CT検査は高度なコンピューター制御を伴うX線検査、

MRIは強力な磁気による内部検査ということでしょう。

どちらも非侵襲的な検査で、検査機器は似ています。

どちらも機械の中に体を突っ込んで、X線や磁気の照射を受けます。

 

ただMRI検査の方が時間がかかること、

そして検査機器内の密閉性が高く、音響がすさまじいこと等が異なるようです。

 

検査室の受付を済ませたのちに、検査衣に着替え、

検査機に体が固定され、ヘッドフォンを装着されます。

そして左腕に造影剤注入用の注射針が固定され、

検査機の内部に運ばれます。

 

事前の問診に閉所恐怖症の有無を訊ねられますが、

たしかに検査機の内部に運ばれると、

かなりの圧迫感のもとに晒されます。

そして非常にリズミカルな機械音がずーっと聴こえてきます。

人によってはこの音と密閉性の高さだけで、耐えられないかもしれません。

 

実際に磁気による撮影が始まると、

さらにノイジーな機械音がそこに加わります。

しかもこの機械音、リズミックに変化します。

たしかにこのサウンドは、ノイジーです。

工事現場のようだと評されることもありますが、

実際、金属同士がぶつかり合うような激しい音です。

 

しかし僕は、このメタリック・メカニカル・サウンドにハマってしまいました。

密閉された空間で、一定のリズムとともに音色を変化させながら繰り返される金属音。

現代美術のインスタレーション作品の内部にいる様でもあり、

また現代音楽作品の実験的なコンサート会場にいる様でもあり、

いつの間にか、気持ちよくなってしまいました。

検査技師の「息を吸って、止めて下さい」といった指示はちゃんと聞いていましたので、

眠ってしまったわけではありませんが、

いつの間にか、時間の経過が分からなくなりました。

 

僕は音に関しては知覚過敏な所があり、

一般的に好まれている音響でも受け付けられないと感じた音は、

絶対に拒絶します。

しかしMRI内だけで経験することのできる騒音ミュージックは、

僕の新たなお好みサウンドにノミネートされました。

ホンマに心地よい音でした。

あえて似たサウンドを挙げるならば、

ドイツのテクノポップのパイオニア

Kraftwerk クラフトヴェルクの、

"Trans Europe Express" 「ヨーロッパ特急」というアルバムの、

"Metal auf Metal" を参考にしてください。

 

MRIサウンド

ゴンゴン、カンカン、ジャシジャシ、といった感じの音ですが、

ホンマにトリップしてしまいました。

ただこのトリップ、少々、お値段が張ります、残念ながら。

 

サウンドトリップは楽しかったのですが、

検査結果の解釈は、来週の月曜日に、主治医の若先生から告げてもらいます。

もしかすると、肝臓がんの初期ステージかもしれません。

抗がん剤治療でしばらく禿げるかもしれませんが、

その時はその時です。

ちょっと心配するのが早いか。

 

禿げてもいつもの気合。

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。