僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

今日はのんびり練習三昧

飲酒歴40年、断酒歴5年と7カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル62。

本日もリスボンの、3歩進んで2歩下がる・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は久しぶりに、ゆっくり かつじっくり、ピアノを弾きました。

 

先週の土曜日に少し激しい練習をしたことで右手の人差し指が軽い腱鞘炎を患ったようで、

今週は月曜日から水曜日にかけて、あまりピアノを弾き込むことができませんでした。

木曜日の午前中はポリープ切除のための準備でピアノの練習どころではありませんでした。

昨日、金曜日は、病院から戻った後に指の感覚のリハビリのために、

少しだけ軽い基礎練習をしました。

 

ということで、今日はほぼ1週間ぶりの、フルスペックでの練習日になりました。

 

今日、練習をしながら、面白いことに気がつきました。

 

僕は僕自身の経験から、語学の上達過程が連続的なものではなく、

階段状の上達を示すことを確信しています。

例えばリスニングの練習ですが、

リスニング教材を用いた練習の場合、

最初の内は、全く聞き取れない状態が続きます。

我慢して聴き続けていくと、

ある時、突然、英語の1フレーズが、意味の塊として耳に飛び込んできます。

一つのフレーズが確認できると、その前後のフレーズも容易に聞き取ることができるようになり、

以前のちんぷんかんぷんの状態からは想像できない、快適なリスニングが可能になります。

もちろん、教材のレベルを上げていくと、

また最初の内は、ちんぷんかんぷん状態に陥りますが、

その苦しい時間も我慢して継続していくことで、

また突然、爆発的に能力が伸びるように感じるときが来るのです。

これ、ホンマの話です。

 

今日、分かったのは、ピアノの練習、

特にジャズピアノの上達過程にも、同じプロセスがあるということです。

 

ジャズの音楽としての醍醐味の中心は、即興演奏、いわゆるアドリブにあります。

ジャズ・ミュージシャンは、曲の基本的な和音進行の構造に基づいてアドリブを編み出していきます。

僕たちの練習にはいろいろな方法がありますが、

やはり自分なりの新しいアドリブを紡ぎだすことができるように、

耳と指、そして内部的な歌心を鍛えていくことに神経を注ぎます。

 

新しいフレージングは、突然、やってきます。

これは本当に突然としか言いようがありません。

そして僕たちは、この瞬間を逃すことなく、耳と指に定着させるために、

奇跡のプレゼントの繰り返し練習を行います。

 

新しいフレーズを見つけた時は、

やったー、俺、むっちゃできる奴やんか!

と、舞い上がります。

しかし新しいフレーズを見つけるためには、

そう簡単には奇跡の瞬間が訪れてくれない、不毛に思えるドリルの時間が必要です。

何度弾いても、新しいフレーズが出てこない、

俺、やっぱり下手くそやわ、とめげそうになりながら、

しかしめげたらあかん、めげたらそれまでやと思いなおしながら、

自分の下手くそさと正面から向き合う長い時間が大事なのです。

 

今日は、残念ながら新しい発見はありませんでした。

でも久しぶりにじっくりと弾き込める楽しさとうれしさを満喫しながら、

ふと、自分の下手くそさと向き合う時間が大事なんだということに気がつきました。

華やかな演奏の陰には、やはり、地道なドリルの時間が必要です。

今日のように、新しい出会いがなかった練習の中で僕たちは、

自分らしい表現のためのポテンシャルのため込み作業を行っていたのです。

 

年齢だけはいたずらに重ねてしまいましたが、

表現者としてはまだまだ、駆け出しです。

人前で演奏する機会がまた削減される事態になりましたが、

これも自らのポテンシャルを高めるための絶好の機会、またとないチャンスと考えます。

100歳までピアノ弾いたろかな。もちろん、歌も。

 

ということで。

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで、

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。