僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

特権階級による酒害 多分、社会の酒害

飲酒歴40年、断酒歴6年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、多分社会的病理・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

この頃、俳優、香川照之の酒席での問題行動が話題になっています。

どうやら、このおっさん、かなり酒癖が悪かったようですね。

特に女性が接客にあたってくれる、それも相当、高級な店舗での、

非常識な振る舞いが問題になっているようです。

 

僕はあまりテレビドラマに興味がありませんので、

俳優としての香川照之については、ほぼ何も知りません。

 

何でしたっけ、金融機関を舞台にした、

堺雅人が「倍返しだ」とか何とか言って、復讐劇を展開するドラマの、

倍返しされる方の役ですよね。

 

それからだいぶ以前の大河ドラマで、

岩崎弥太郎役を担当した時の怪演も話題になりましたね。

リアリズムにこだわり過ぎた演出ゆえか、あまりのも弥太郎役の姿が汚らしいということで、

三菱グループから抗議があったとかなかったとか。

 

それから歌舞伎俳優としても活躍しているそうです。

 

おそらくテレビ俳優としても歌舞伎役者としても、

飛ぶ鳥を落とす勢いで、乗りに乗っていたところなんでしょう。

 

しかし酒という薬物、個人差は大きいようですが、

摂取した人物の行動や思考に明らかに影響を与えるという意味では、

やはり、危険な物質です。

 

歌舞伎界では、53歳で早逝した中村勘三郎も、

酒席での傍若無人な振る舞いが知られていました。

 

芸事の世界では、遊びも芸の肥やしなどといわれて大目に見られることがあるようですが、

しかしよく考えてみれば、

特権者の酒席での乱暴を大目に見るという風潮、

ジェンダー差別を容認し続けてきた東アジア社会の愚かしき家父長制と同根の、

愚かしき悪習として断罪されるべきでしょう。

 

香川照之の件は、当面は香川個人の犯罪的な行為として批判が集中するでしょうが、

しかし、特権的な地位にある者や、本来の業務において功績の秀でた者に対して異常に甘い、

東アジア的な社会感覚も非難の対象とされるべきであると思います。

 

断酒者として健康な飲酒者の飲酒行為に対して非難するつもりはありません。

しかし酒の席ではある程度は大目に見てもらえるという風潮は、

決して放置してよいとは思いません。

酒乱と使用障害の相関関係については全く知りませんが、

人に迷惑をかけ、そして自分自身も破滅に追い込むような酒は、飲むべきではないのです。