僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

絶望の国への前兆?日大薬物汚染の疑い

飲酒歴40年、断酒歴7年と6カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、まだ間に合うのか・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

正直言って、いやな話題です。

日大アメリカンフットボール部員の大麻所持疑惑。

大麻のみならず、覚醒剤絡みの疑惑も浮上してきたようですし、

日大のフットボール部だけの問題でもなさそうです。

 

まだ疑惑の全容が知られていませんので、断定はできませんが、

大学生をはじめとする若者たちの間に薬物汚染が広がっていることは事実のようです。

 

日本大学というと、

特に数年前のアメリカンフットボール部員による危険タックルの問題や、

元理事長による不正な資金流用問題等のスキャンダルが思い浮かびますが、

しかし今回の件を日大の特殊性に無理やり収めこんでしまうことは無理でしょう。

 

そして今の段階では大学生を中心とした若者の社会的な病理という様相ですが、

恐らく、この国の社会全体に巣食う危険な問題の一部とみるべきかもしれません。

 

フィラデルフィアケンジントン通に、身体を前屈させてたたずむ、

不気味なゾンビの群れがたむろしていることは、

YouTube 等を通じて、よく知られています。

このゾンビたちの多くは、

フェンタニルという、安価で手に入る危険薬物の使用障害に陥ってしまった人びとです。

 

現在のアメリカ社会では、かつて社会の中心を占めていた白人の労働者階層が、

経済的に苦しい生活を強いられているそうです。

トランプという、およそ知性を欠いた政治家?の支持者が減らないのも、

この男が、そのような白人たちの復権を訴え続けているからでしょう。

 

そして絶望の淵に追いやられた白人たちが、

フェンタニルを手に入れやすいフィラデルフィアに集まってしまい、

ゾンビタウンを形成しているということだと思われます。

 

今この国は、経済的に追い詰められた人びとが決して少数派ではなくなっている、

貧困層の目立つ社会になってきています。

僕たち、アルコール使用障害当事者もそうですが、

貧困と薬物使用障害は、どうしてもストレートに結びついてしまいます。

 

僕が恐れるのは、

大学生をはじめとする若者たちの間に薬物濫用が広がってきている背景として、

この国の構造的な貧困問題があることです。

 

多分、対症療法では、この国の病状は治癒できません。

何かを変えなければなりません。

一つは教育でしょう。

この国の教育の質的な貧困は、そう簡単には改善できませんが、

しかし、手をこまねいているわけにはいきません。

何ができるのか、すぐには分かりませんが、

少なくとも問題意識は持っておきましょう。

 

そして僕たちは、薬物使用障害の恐ろしさについて、

機会をとらえて、経験者として発言しましょう。

多分、他人ごとではないと思います。