僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

増し締め

飲酒歴40年、断酒歴7年と7カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、アナログ文化は死なず・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は完璧にヒッキー君な一日を送りました。

しかも、パートナーもパート仕事が休みのため、

地獄のような二人ヒッキー・リビング。

ホンマに必要最低限のことしか話さない、真夏の極北世帯。

 

そんな中でも僕のやることはいつも通り、

朝一の腹筋プラクティス、

朝食等を終えて、まずは1時間半ほどのピアノレッスン、

10時から、アメリカの聾教育に関する論文を読み、

午前が終了。

 

昼からもピアノ練習室にこもり、

YouTube に公開されているセッション用のマイナス・ワン・テークを利用して、

ピアノのレッスンに没頭しました。

 

この YouTube 上のマイナス・ワン・テークなんですが、

僕は ネットからPC 内に取り込んだ音源を、ミニ PA システムで再生しています。

こんなやつです。

なかなか便利な奴で、

ヴォーカルアンプとしても重宝しています。

 

重宝しているこいつですが、

最近、右チャンネルだけ、低音ビビりを起こすようになりました。

シールド(電気楽器用のコードのことです)やアンプの接続プラグ等を調べてみましたが、

どうやら原因は別のところにありそうです。

 

そこで今日は思い切って、

右チャンネル・アウトに使っていたスピーカーの内部を覗いてみることにしました。

前面ガードを外し、ウーハー・コーンも外してみたところ、

内部の回路の一部が外れていましたが、

その回路を戻すためにはどうやら専用の工具が必要なようなので、

とりあえず、もう一度、外した部品を元に戻しました。

 

そして改めて接続を組み直し、 PC からの音源を鳴らしてみたところ、

低音ビビりが解消していました。

特に修理めいたことはしていません。

 

何故やろうなと考えてみたところ、

外した部品を組み直した時に、

どうやら、ボルトとナットの締め付けをできる限り、丁寧にやったことが、

ウーハー・コーンのビビりを抑えることにつながったようです。

バイクなどの整備の時によく言う、

増し締めという工程を行っただけです。

 

でもその単純な作業工程である増し締めを丁寧にやったことによって、

音質の劇的な改善につながりました。

 

オーディオ機器や電子楽器の殆どは、内部的にはデジタル化が進んでいます。

しかし実際に音が鳴る、すなわち道具としての最後のアウトプットのプロセスでは、

スピーカー・コーンが振動し、その振動を共鳴箱が拡張するという、

アナログな現象が起こっています。

部品の増し締めという、極めてアナログな工程が、

最終的なアウトプットのクオリティーを左右しているわけです。

 

アンチ・デジタル・カルチャーの20世紀型原始人としては、

なんか、とてもうれしい感覚に包まれました。

やっぱ、僕たちの生活の全てが、デジタル化されることはないんだよね。

安心、安心。