僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

強制解雇に向けてカウントダウン

飲酒歴40年、断酒歴7年と9カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、懸案解決?ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日という日は盛りだくさんな感じなんですが、

一つだけに絞って報告します。

 

以前にも報告しましたが、

大学の教員というやつ、定年退職の歳に、

引退セレモニーを行う習わしになっている大学が多いようです。

 

僕も今年、強制解雇の憂き目にあいますが、

引退セレモニーを行うことについては、正直、乗り気ではありませんでした。

退任記念講演 - 僕のワンノートサンバ (hatenablog.com)

 

殆どの先生が、退任記念講演という形で、レクチャーを行うのが一般的ですが、

僕は僕の研究内容について、

勤めあげてきた大学の教職員の誰に対しても話す気になれません。

 

30年に及ぶ僕の勤務経歴の中で、

後半、15年以上は、障害学について、

芸術学との架橋の中で新たな可能性を見つけることを研究テーマとしてきました。

僕は僕が取り組んできたこのテーマについて、

大学の仲間たちやかつての上席者たちから正当に評価されてきたという実感がありません。

 

障害学という学術行為そのものが、

学問としても新参者であり、

またその方法論や目指すところも、ある意味で暴力的なまでに革新的です。

僕はその革新性に心をときめかせてこの分野に魅かれたのですが、

仲間たちからはその革新性について共感を得ることはできませんでした。

そういうわけで、

学術的なレクチャーを僕の引退セレモニーの出し物にすることに積極的になれません。

 

今日、僕たちの引退セレモニーの担当者でもある、若き副学長から、

新しい提案を受けました。

最初の頃は、互いに半分、冗談のようなつもりで話していたこともあったのですが、

僕の退任記念イベントは、何と、僕の演奏活動で締めくくることになりました。

つまり、現在の僕にとって一番大事な活動であり、

そしてこれから神様に召されるまでずーっと続けようと思っている、

ジャズ・ライブを披露することで、退任記念講演に代えようという提案です。

 

日時の設定や会場に至るまで、かなり具体的なプランの提示を受けました。

そして僕も今日、提示されたプランならば、

これまでとは異なり、大人な妥協ができそうです。

いや妥協というよりも、僕も大いに乗り気になれそうです。

 

僕の不満は、本当の僕をさらけ出させて欲しいということにつきます。

誰かのために、何かの組織のために、取り繕った僕ではなく、

僕の思いそのものの僕を、見てほしい、

僕のわがままの奥底にあるのは、そんな自己顕示欲です。

 

でも僕はその自己顕示欲によって、今、やり直しの人生を生きています。

そんな僕を、同僚や学生たちに見てもらい、僕の音を聴いてもらおうと思います。