僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

多分、最後の合評会参加

飲酒歴40年、断酒歴7年と11ヶ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル65。

本日もリスボンの、いよいよ節目・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

あと2カ月半で、美大の教師としての仕事のさや納めを迎えます。

いろいろありました。

今の時点でそのいろいろについて振り返るのも一つですが、

完全に職を離れてから振り返るのもありかなとも思っています。

 

ですが、少しだけ振り返りも含めながら、今日の仕事について報告します。

 

美大では、合評会というユニークな授業が行われます。

美大の専門科目の多くは、実際に学生たちが作品制作に取り組むことで成立します。

合評会というのは、その完成した作品を囲んで、

指導した教師のみならず、制作した学生本人やクラスメートも自由に発言し、

作品や制作に対する理解を深めようという、

いわば仕上げの授業です。

 

僕は特定の学科やコースには所属しない、

昔風のいい方をすれば、一般教養系の授業を担当してきましたので、

基本的には合評会に参加する義務はありません。

 

しかし現在の大学に勤めていた31年間、

いくつかのコースの合評に自主的に参加してきました。

専門外の教師の参加は、その合評会の主催クラスにもよりますが、

基本的には歓迎されます。

 

そして今日、恐らく僕にとって最後になるであろう、合評会に顔を出してきました。

勤務先の大学の現代アートコースの2年生、および3年生の作品をめぐる合評会でした。

明日の予定も考え、途中で退席させてもらいましたが、

僕にとって合評会は、実に有意義な機会でした。

 

直接本文とは関係ありませんが、現代美術の展示の一例です。

 

学生たちの作品に寄せたコメントも楽しいのですが、

それと同時に、一緒に参加された他の先生方の意見を拝聴できることが、

またとても有意義で楽しいものです。

 

特に今日は、現代美術の世界では、業界的な感覚ではありますが、

ある程度、名の通ったアーティストたちが講師陣を固めていましたので、

そういった人びとと一緒に発言が許され、

時に互いの意見をぶつけ合ったり、時に納得し合ったり、

観照する立場からアートにかかわることのエキサイティングな進行形を味わうことができました。

 

僕はこれまで、僕にできること、そして僕がしたいことをしてきましたが、

それでよかったんだろうと思います。

 

今週で、学生諸君の前に立つのも、最後になります。

楽しみます、思いっきり。