僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

台風 大学 学年歴

アル症と肝硬変、仲良く3人4脚、リスボン、57歳。

本日もリスボンの、わがまま・ノープラン・人畜有害ブログ、ご訪問、ありがとうございます。

警報が出るのか出ないのか、学内がそわそわしてます。
暴風警報が出ると、休講になりますので)
でも、僕の今日の授業は午前中で終わってますので、関係ないのですが。

今、大学では、15回の授業確保というのが、一種のお題目のように唱えられています。

日本の大学のほとんどが、1年2学期制を取っていますが、15回というのは、それぞれ前期、後期の授業回数を、しっかり15回、やりなさいよ、という話です。

ある程度、年齢を重ねてらっしゃる大卒者の皆様は驚かれると思いますが、今、大学の教員は、おいそれと休講できないのです。
半期、15回の授業を確保するためにですよ。

多分、今から10年くらい前だと思いますが、突然、文科省が、大学はしっかり15回の授業をしなさい、試験も15回の授業を終えてからやりなさい、という通達を出しました。
ほとんどの私学が、助成金を経営資金の一部に当てている関係上、これは議論の余地のない、神のお告げに等しい、宣言です。

そしてそれ以降、下手に休講しようものなら、大学の事務局サイドから、
「先生、補講はどうされますか」という、
形式的なご機嫌取りではない、
「ホンマにどないすんねん、ちゃんとやってくれへんかったら、大学が目ぇつけられるんやでぇ」というほとんど脅しに近い問い合わせが矢のように突きつけられるようになっています。

まして、今日のように、警報が出るのか出ないのか、というギリギリのところでは、事務局も担当教員も、落ち着かないこと、この上ありません。

そして、日本の大学のほとんどが、詰めこめられる限界に挑戦というふうに、1年間のスケジュール、学年歴を作っていますので、台風による不意打ちは、ホンマにどないもしようがないんです。

なんで、こんなめんどいことになったかといいますと、

日本の大卒の若者たちの社会人力が落ちたのでは、という経産省の脅しに文科省が屈し、そしてそのとばっちりを各大学が受けているという構図なのですね。

でも教育って、何回やってどうのこうのという話ではないと思うんですよね。
確かに、なんらかの具体的なスキル、例えば自動車運転技術のようなスキルの場合、何回で第何課程、という組み立てはできますが、
基本的に人文科学でそれは、無理ですよ。

その無理難題を強いられているのが、僕たち、大学の人文科学系の教員なんです。
(スンマセン、なんか毎回、仕事の愚痴ばっかり書き連ねまして)

でも、このままだと、日本の国力はひたすら落ちる一方だと思うんですけど。

僕たちは、断酒ライフを始めてから、身体的な束縛からの自由、そして精神的な依存からの自由を、経験しています。
せめて、そんな軽やかな自由さを若者たちに伝えたいものです。

僕たちの自由さを喜びつつ、みなさん、そして僕も、今日も(明日も)ご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。