僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

将棋界

食欲の秋、いえいえ、アル症の秋。
芸術の秋、いえいえ、肝硬変の秋。
秋は僕の季節です(と、わがまま)。
好調な病人、リスボン、もう少しで58歳(っていうか、まだまだですが。)

本日もリスボンの、自分勝手・傍若無人・ノープラン・ブログ、ご訪問、ありがとうございます。

昨晩、驚くようなニュースを知りました。
将棋の竜王戦、挑戦者の三浦九段が、挑戦権を辞退したという知らせです。

僕は、どちらかといえば、鑑賞派の将棋ファンです。
実際に指すことはほとんどありません。
詰将棋を楽しむことはあります。
しかし、NHK杯戦を見たり、新聞の将棋の記事を読むのは好きです。

将棋界において竜王戦は、名人戦に次ぐ、
あるいはその性格の違いを考えれば、
名人戦とは異なる意味を持った、最重要棋戦です。

その竜王戦の挑戦者に決まっていた三浦九段が挑戦者を辞退したというニュース、
あるいは、将棋連盟から出場停止処分を受けたというニュース、
見るだけ将棋ファンにとっては、とんでもなく衝撃的な知らせでした。

昨晩は、インターネットで一体どういうことかと情報を探しましたが、
今ひとつよくわかりません。
どうやら、三浦九段が対局中に中座し、スマートフォンを不正に用いたのではないかという疑惑がもとにあるようです。

ひとりの将棋ファンとしては、
あの朴訥さが魅力の三浦さんがそのようなエグいことをしていたとは信じられない限りです。

真相はさておき、

将棋界においても、スマホだけではなくIT技術が無視できない対象になってきたことに対して、
無視できない問題性を感じます。

僕は大学で働いていますので、
何年か前にあった大学センター入試試験での携帯電話を駆使したカンニング事案、
そしてその後の試験監督業務の複雑化の現場に直接参加しています。

試験等で、性悪説に立って疑いだしたら、きりがないですよ~、ほんまに。

そのうち、コンピューターのウエアラブル化が進展していったら、
それこそ視力矯正用の普通のメガネでさえ、疑うこともできます。

将棋は思考力や判断力を争う頭脳スポーツですから、本来はIT技術とは無縁だったはずです。

ところがここ数年、将棋ソフトがプロ棋士に対して勝利をおさめるようになり、
話がややこしくなってきました。

AIは本当に人間の能力を超える進歩を見せるのでしょうか。
AIと人間の総合的な知性は、本来、棲み分けられるものではないのでしょうか。

同じく昨夜のNHKの番組で、空港で働く飛行機の整備士さんたちの仕事を見たとき、
AIの及ばない、人間の能力の素晴らしさを見たばかりでしたから、一層複雑な気持ちになりました。

AIはアル症にはならないでしょうから、僕たちはまさに人間らしい人間かもしれません(ってそれは厚かましいか)。

三浦九段に対する疑念が晴れ、
将棋が人間同士の、まさに総合的な力を競い合う頭脳スポーツであることを再確認することができる日を待つばかりです。

僕たちは皆さんも僕も、人間だからこそ取り組むことのできる断酒ライフを、
今日も(明日も)ご機嫌さんで、継続していきましょう。