僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

依存症の闇

無駄に筋トレ、無駄にセルフ・ライザップ、
夜中に筋肉痛で起きてしまいました。
アル症と肝硬変、それでも元気な58歳、リスボン

本日もリスボンの、自己中・ノープラン・ブログ、ご訪問、ありがとうございます。


さて、IR法案、可決されるそうです。

誰の目にも経済効果は期待できそうにないのに、
あの嘘つき・不誠実・偽物・マリオ首相は、何を急いでいるんでしょう。

リゾート施設を新たに作るということでの建設需要による景気を期待しているんでしょうか。
それとも、どこかの業界との闇の癒着ゆえに急いでいるんでしょうか。
不可解です。

世間では、カジノの解禁に伴うギャンブル依存症の蔓延を危惧する声がかまびすしいですね。

確かにギャンブル依存症は、恐ろしい病理でしょう。
特に、本人よりも、本人の連れ合いを始めとする家族ですよね。

ところで僕が気になるのは、依存症について語る際の、ある種の軽さです。

依存症は精神的な病です、ですから社会的な対応が必要です。

はい、まさにその通りです。おっしゃる通りです。

でも依存症当事者としては、「精神的な病です」という括り方があまりにもあっさりしすぎているような気がしてなりません。

僕たちアルコール依存症当事者は、一度コントロール不能の状態に陥ると、
一見すると僕らの意思で酒を飲み続けているように見えますが、
そして僕たちの認識上も主体的意思として飲みたくて飲んでいるように錯覚しますが、
コントロール不能の状態にある僕たちは、違う生き物に変質しています。

脳から出た指令が、全身に対して支配的な強制性を発揮し、ある一定の限界に達するまで飲み続けてしまうのです。

おそらくギャンブル依存症も、ギャンブルの負けはギャンブルで取り返す、という非理性的な思考に、
脳のみならず身体中が支配されている状態でしょう。

僕たち依存症当事者は、簡単に狼に変身してしまう体を手に入れてしまったのです。

アルコールの場合、この変身能力が常態化するまでには、個人差がありますが、時間がかかります。

覚せい剤のような強烈な薬物の場合、おそらく1回の使用でヴァンパイアへの変身能力が身についてしまいます。

そしてギャンブルの場合、ビギナーズラックが引き金となり、
適度な勝ち負けを繰り返しているうちに勝負の単価が上昇し、
ギャンブルによって生じた負荷はギャンブル以外では弁済できなくなってしまいます。

そして判断力ばかりか、生理的な本能すらも毒されてしまうのです

依存症の秘めている、本能への強烈な作用、
これは、本人か、本人の一番近くにいる人にしか理解できないでしょう。
せいぜいのところ、精神科医ソーシャルワーカーのように、多くの事例に接した人がかろうじて理解の入り口に立つことができるくらいのことだと思います。

僕たちが言うべきことではないかもしれません。
でも僕たちしか言えないのです、依存症の本当の恐怖は。

メディアの取り上げ方が善意と危機意識に基づいていることは理解できます。
しかし、本当の闇は、その闇を覗いてしまった本人、その闇の中に囚われてしまった本人にしかわからないものではないでしょうか。

僕たちにも言うべきことがありそうです。

そのためにも皆さんも僕も、今日も明日も暑かもしくかつ謙虚さをもちながらご機嫌さんで
LWAO Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。