僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

昭和歌謡のジャズ

飲酒歴40年、断酒歴2年と8か月、不良初期高齢者、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、過去と現在をつなごう・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。


今日は、いつもの京都は伏見のライブハウス、「アンソニア・カフェ」さんで、
弟子のサックスのT君との二人ライブ、かましてきました。

以前にも書きましたが、

T君とのデュオライブ、
ジャズの演奏としてはベースとドラムスを欠いていますので、
少し寂しいのですが、

曲の進行を自由にコントロールできるという点では、
とてもチャレンジングな演奏体験です、何度やっても。


で今日は、新しいレパートリーに挑戦しました。

昭和バブルの最盛期の頃のバラードの名曲、

台湾からやってきた、ちょっと外見はヤンキーだけど、実力派歌手、
オウヤン・フィフィの歌った「ラヴ・イズ・オーヴァー」です。

この手の有名な曲には、
下手に元曲に忠実に歌うと、
ただのカラオケソングになってしまう落とし穴が待っています。

ピアノの伴奏も歌い方も、できる限りオリジナリティーが出るように、
ちょっと工夫しました。

少し専門的になりますが、
僕の工夫は、
左手の伴奏音を可能な限り少なくすることで、
謡曲にはないスカスカの空間感覚を取り入れることです。

僕の左手の奏でるシンプルな重低音とそのうえで自由に飛び回るヴォーカルラインが重なり、
さらにT君の怪しいサックスのラインがそこに絡む、

過剰な重さをもたない3本の線が空間の中でゆっくりと舞を舞う、
自分でいうのもなんですが、
かなり独創性の高い昭和歌謡ジャズのきっかけをつかめたような気がしてます。


京都のラウンジ専属ピアニストで生計を立てていたころもこの曲はうたうことがありましたが、
しかし歌というのは、単なる歌唱力だけではなく、
経験値と、自分の声を客観的に聴くことのできる判断力が重要になります。

自分の声を喜びながら、
しかし同時に冷静に分析的な感性で聴く、

こんな離れ業は、現役の酒飲みには絶対に無理でしょうね。

ヴォーカリストとしての僕の可能性が広がっているのも、
断酒ライフのおかげであることは間違いありません。


断酒ライフ継続の恩恵の一つを確認したところでいつものように

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。