僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

無理やりかも 東京オリンピック

飲酒歴40年、断酒歴4年、不良初期高齢者、リスボン、61歳。

本日もリスボンの、無理しない方がいいんじゃないの日本・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

f:id:skyoflisbon:20200205185735j:plain

 

今日は寒かったっす。

そして明日、明後日も久しぶりの完璧な冬型の気圧配置ということで、

寒くなるそうです。

日曜日に、ほぼ20年ぶりのソロライブを予定していますので、

のどのコンディションに注意します。

 

寒かったんですが、スンマセン、今日は楽しく過ごしました。

大阪の国立国際美術館で開催されている、

「インポッシブル・アーキテクチャー 建築家たちの夢」展を見てまいりました。

 

行きは京阪電車の特急、しかも先頭車両の最前列の席に座ることができ、

じじぃのくせしてこども鉄チャンぶりを発揮してきました。

 

そして「インポッシブル・アーキテクチャー」展、

これまた無茶苦茶、おもしろかった!

 

展示されていたのは、

建築コンペで高い評価を得ながら、実現されなかった建築案、

そもそも建築家自身がコンセプチュアルなアイデアとして設計した案、

そして施工されることが決定していながら、何らかの理由で建設が見送られた案の、

三種類でした。

 

どのタイプの設計案も興味深かったのですが、

一番、エキサイティングだったのは、

施工されることを前提としていない、まさにドリーム・プランの建築デザインでした。

そもそも建築家という専門家はわがままなんですが、

最初からクライアントを想定していない建築案の場合、

そのわがままぶりは120%のはみだしぶりを見せます。

 

そして具体的な施工契約まで締結されながら、実行されなかった案の場合、

ある種の怨念すら感じられます。

 

写真はイラク出身の前衛的な作風を示す建築家、ザハ・ハディドによる、

国立競技場の完成予想図です。

一応表向きは、

ザハ・ハディドのデザインがあまりにもコストがかかりすぎるということで、

設計が変更になったということになっていますが、

どうも、そのような単純な事でもなかったようです。

 

今回の展覧会には、このデザインも展示されていました。

設計のコンセプトを示す長尺のCGプロモーション動画を中心に、

2種類のモデル、契約等に関わる膨大な量の資料集、

そして構造計算の根拠を示すモデル等が展示されていました。

 

展示されていた解説文によると、

ザハ・ハディドの案を、

建設費用も含めてどのように実行していくのかを検討する段階の寸前で、

計画は白紙にされたようで、

少しきな臭いにおいもします。

 

僕はもともと、2020年(って今年ですね)に東京でオリンピックを開催することに、

疑問を感じていました。

アメリカのメディア産業の単なる商売道具へと堕してしまった行事に、

特に意味も意義も感じません。

オリンピックがインフラ整備のきっかけになったのは、昭和の話です。

今の日本というか東京では、

けた外れの投資をして大規模の施設を作っても、

結局のところ、メンテナンス貧乏に陥るだけでしょう。

そして極めつけが、

東京オリンピックのマラソンが札幌マラソンになってしまったこと。

もう、一時のお祭り騒ぎで経済が持ち直すような時代じゃないはずですよね。

 

建築家たちのわがままたっぷりの夢を堪能しつつ、

この国の、

20世紀的な発想から抜け切れていない脳みそ硬化症候群の一端も確認しました。

 

再来週、久しぶりに東京に出張に行きます。

この目で一見、元気な、でももしかするとデカダンスのど真ん中かもしれない、

メガシティーの元凶を確かめてきます。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。