僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

こんなん、知りませんでした

飲酒歴40年、断酒歴5年と7カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル62。

本日もリスボンの、まだまだ勉強・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日も愛知中部出張報告の続きです。

2日目(水曜日)の最初の訪問先は、長久手市にあるトヨタ博物館です。

トヨタ自動車が運営する、自動車の歴史に焦点を当てたユニークな博物館で、

デジタル・ネイティブの若者たちに、

20世紀のアナログなものつくりの精神を伝えるための僕自身の勉強のために、訪れました。

 

9時半の開館時間と同時に入館し、2時間程度で全体の見学を終えるつもりでしたが、

展示内容があまりにも素晴らしく、

足が棒のようになるのを感じながらも、3時間以上かけて、じっくり見ました。

 

もちろん、トヨタの歴史を形作る、トヨタ製の名車の数々も展示されていましたが、

しかしトヨタ車のみならず、

自動車の発展の歴史において重要な役割を果たした多くの名車も展示されていました。

まず、その太っ腹な展示内容と、総額で一体なんぼになるんやろうという展示規模に驚きました。

 

僕はそれほど強烈なカーマニアではありませんが、

バイク競技に夢中になっていたことからも、

自動車のメカニック関係には、少々、オタッキーな興味があります。

19世紀末の、馬車に無理やりエンジンを乗っけたような車や、

今では想像すらもできないような駆動形式を採用した車など、

ホンマに、驚きと興奮の中で、展示車をなめるように観察し、撮影しました。

 

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写真はそんな中の一台です。

1955年製の Fujicabin Model 5A という、日本製の、前輪が2つ、後輪が1つという、

とんでもなくユニークな三輪車です。

ヘッドライトが1つの、今風に言えば単眼ちゃんのかわいこちゃんです。

単眼ちゃんですので、ちょっと妖怪のような不気味さもありますが、

走行中の動画の展示もあり、ホンマに驚かされました。

 

1955年製ですから、僕より少し先輩ですが、

ま、同世代といってもいいでしょう。

僕と同い年のものとしては、あの世界の名車、

ホンダのスーパーカブがありますが、

こちらのフジキャビンは全く知りませんでした。

 

日本がムチャクチャ元気だったころの、

ジャパニーズ・エンジニアとジャパニーズ・デザイナー、

そしてジャパニーズ社長さんの、気合と覇気が込められた一品といっていいでしょう。

 

これ以外にも、驚くべき車が多く展示されていましたが、

おそらく、全車、走行が可能でしょう。

トヨタ自動車の、この貴重なコレクションの収集のみならず、

補修管理にも力を入れている姿勢には、

感じ入りました。

 

今回取材した車のいくつかは、

授業の中で、学生たちにも紹介しようと思っています。

もちろん、高度経済成長期の日本の産業の全てを肯定できるわけではありません。

しかし素直に学ぶべきところは学び、歴史的に反省すべき内容はそのように評価することで、

若者たちの将来の活躍に役立ててもらいたいと願います。

 

この世界には、まだまだ学ぶべきことが溢れています。

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで、

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。