飲酒歴40年、断酒歴5年と10か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。
本日もリスボンの、理屈こね・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
僕たちは、合法薬物の過剰摂取により、当該薬物の使用障害という精神疾病を罹患しました。
アルコール飲料を合法薬物の範疇に含めて考えることについて、
ほとんどの人が奇妙に感じるでしょうね。
でも薬物という言葉も、概念規定によって守備範囲が広くも狭くなりそうです。
お医者さんが診断の上で処方してくれる薬品は、
常識的には、ごく普通の食事で供される食物ではありませんし、
また当然のことですが、違法薬物でもありません。
でも、食物も処方薬品も、そして違法薬物も、
体内に摂取することによって身体に何らかの影響を及ぼす物質であるという点では、
同じであるといってよいでしょう。
医食同源なんて言葉もあるくらいで、
普段の食事の内容や取り方で、体は健康にも不調にもなります。
処方薬品も摂取のしかたを間違えれば、違法薬物並みに危険な影響を及ぼすこともあります。
僕の親父は、ほぼ間違いなく睡眠薬使用障害の状態に陥っています。
あいつはどんな時でも、手近に眠剤があるかどうかが一番の関心事です。
そしてたまに過剰摂取を犯し、茶番自殺未遂というはた迷惑な行動に出ます。
親父が薬物に頼るようになったのは、
どうやら高血圧の診断を受け、血圧降圧剤を飲み始めてからのようで、
その効果の目覚ましいことを知ったあやつは、僕に対しても降圧剤の服用を勧めてました。
もちろん僕は、全く無視しましたが、
おそらくそのころからあやつは薬剤に全面的な信頼を置くようになったのでしょう。
処方薬品も当然ながら、毒にも薬にもなるわけです。
医療従事者が必要と考え処方する薬品と、
販売や所持、そして使用に関して法的な制限が課せられない合法薬品、
さらには、一般的には薬物とは認識されないけれど、
その摂取が精神や身体に及ぼす影響の深さが時として社会問題視される、酒のような嗜好品、
これらの間には、物質的な面からの根本的な違いはないと思います。
そして通常の食事に含まれる食品もこの列に加えていいでしょう。
物質として考えた時に恐ろしいのは、
これら、全く違法性を問われない物質と、
販売や所持、そして使用すらも犯罪として取り締まりの対象となる違法薬物との間にも、
物質としての根本的な違いはないと思われることです。
アルコール飲料のもっている危険性は、僕たちが僕たちの人生をかけて証明しました。
違法薬物ではないアルコール飲料は、
しかしながら精神と身体の双方の健康を損なう恐れのある、
違法薬物と変わらない危険性をもった、薬物です。
生き証人としての僕たちにできることは、
まずは僕たちの失敗について必要とあれば語ることでしょう。
そして語るためには、振り返りたくない過去について、
折に触れてほじくり返すべきでしょうね、辛いけど。
僕たちは僕たちの明日について語ると同時に、
僕たちの昨日についても語り続けるべきです。
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで、
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。