僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

あの娘の瞳は潤んでいた

飲酒歴40年、断酒歴6年と1カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、ああ人生に涙あり・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

ああ人生に涙あり」、

今となっては、知らない世代の人も多いかもしれませんが、

少なくとも昭和という時代の中で自我を形成した人びとの殆どが知っている曲のタイトルです。

テレビドラマ、「水戸黄門」のテーマ曲、

「人生楽ありゃ苦もあるさ」という出だしで始まる、朗々とした唱歌?です。

 

今日は、勤め先の大学の卒業式でした。

新型コロナウィルスのパンデミックが継続中ということもあり、

学位授与式(卒業式の正式名称?)は、

出席人数も制限され、時間も1時間弱という、超縮小版で行われました。

 

30年近くも務めていると、卒業式の様子も変わります。

パンデミック以前の僕の勤務先の卒業式は、

卒業生全員が登壇し、学長から直に証書を受け取るという、

贅沢な時間の使い方をしていました。

 

しかし今年は、名前を呼びあげ、登壇して学位記の授与を受けるのも、

代表学生、一人だけ。

学長、理事長、在校生代表、卒業生代表とスピーチが続きましたが、

どのスピーチもありがたいくらいに、コンパクト、

正直、助かりました。

 

以前であれば、卒業式の後に卒業パーティーが開催されていたのですが、

もちろん、3年前からパーティーは開催されていません。

卒業式、およびクラス別の事務的な懇談会が終わったのちは、

会場のホテルのロビーで、

学生と一部の教員の別れが繰り広げられました。

 

そんな中で、一人の女子学生とお別れのあいさつを交わしました。

 

彼女は洋画を専攻していたのですが、

専門クラスの教員とは最後まで気が合わなかったようです。

何故か彼女は、僕の英語の授業を3年間、履修し続けてくれました。

そして授業のみならず、授業終了後も僕の研究室にやって来て、

おもにはグチでしたが、いろいろな話を聞かせてくれましたし、

僕もいろいろな話をしました。

 

ホテルのロビーで彼女ととりとめもなく話をしましたが、

家族が迎えに来るからもう行くね、といって彼女が立ち上がりました。

4月から大阪で中学校の先生をするという彼女、

じゃぁまた遊びに来るねといいながら、立ち去りがたそうな彼女の瞳は、

少し濡れていました。

濃厚接触に当たるので避けるべきでしょうが、

思わず手のひら同士タッチを交わしました。

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彼女の大学生活の中に僕の役割があったとしたら、

とても誇らしく、光栄です。

生きていればこその確認です。

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、バンザイ。