僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

つけあがる薬物使用障害当事者

飲酒歴40年、断酒歴7年と3カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、人のふり見て・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は、眠剤使用障害当事者のクソおやじの心療内科の定期受診日でした。

運転手兼処方薬受け取り監視役として午前中、同行しました。

 

一月前から尿意制御不能の状況に陥っていたクソおやじ、

3週間前には、おしっこが出ないといっては何度も救急車を呼ぶ、

はた迷惑行為を繰り返していましたが、

精神安定剤等の増量処方によって、安定の兆しがみられるようになってきたようです。

 

ただし、心理状態の安定とともに、要求は厚かましくなってきたようで、

今日も心療内科の先生の所に行く前に、

尿意を解決するために内科に連れて行けとわがままを主張し始めました。

もちろん、完全に無視し、眠剤を処方してくださる、親父にとっての命の恩人、

心療内科の先生の所へ連行しました。

 

クソおやじの状態が決して悪くはないことは、

車内での落ち着きぶりからも、そして心療内科の先生に対する饒舌な話しぶりからも明らかです。

そして先生に対して、とにかく尿意を制御する劇薬を処方してくれと要求します。

もちろん、泌尿器科マターではない親父の病状?に対して、特効薬はありません。

先生はこれまで処方してくださった向精神性の薬剤とのバランスを考えて、

新たに2種類の薬を処方してくださいました。

そのうちの一つが漢方薬品であったことから、

クソ親父は生意気にも、自分には漢方が合わないといって拒否しました。

実際にはその漢方薬は処方されましたけどね。

 

心療内科の先生のところから薬局までの移動の際、

近くで僕が見ていたこともあり車に乗り込む際、やたらとシンドそうな顔を見せましたが、

もちろん、クソ芝居です。

 

薬局では、処方された薬剤が自分の要求とは異なるといってクレイマーになりました。

認知症が進行している親父に、そのクレームが無理筋であることを説明するのは無理でした。

結局、僕が怒鳴りつけて、薬を受け取り、お世話になっている施設に送り届けました。

 

帰りの車中で親父は、処方された薬剤を一種類ごとに点検します。

そして最も大事な眠剤が確認できないとなると、また文句を言い始めました。

もちろん、その薬剤はしっかりと処方されています。

しかし、心身ともに薬剤に依存しきっている認知症の老人にとって、

自分が納得できるまで薬剤を確認する作業は、欠かすことができないのでしょう。

そう、その姿は、かつての僕たちです。

その日に摂取できるアルコールの存在が確認できないことには、

一切のことに手がつかない、僕たちの行動様式と同じです。

 

僕の断酒ライフが安定していることの背景の一つに、

このくそおやじの使用障害の進行形の現状に同席せざるを得ないこともありそうです。

2年半近く、振り回され続けていますが、

広い意味での薬物使用障害という同根の疾病患者として、

僕は親父の中に反面教師を見出しているとも言えます。

 

親父が睡眠剤を中心とする薬物使用障害を克服するためには、

恐らく閉鎖型の精神病棟への入院が必要でしょう。

年齢や認知症の進行具合を考えると、

専門の先生の監視下で、バランスを取りながら薬剤を処方していただくしかないようです。

在宅での断酒ライフが継続できている幸せをかみしめています。