僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

グレゴリオ聖歌

飲酒歴40年、断酒歴7年と3カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、これも原点回帰?ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は実は特別な日でした。

ここ3年間、音楽活動を共にすることが多かったドラムスの M さんが、

6月から活動の拠点を神奈川県に移します。

今日は彼とともに行う、共同ホスト・ジャム・セッションの最後の日でした。

 

これまで何度か共演した仲間や、今日、初めて来てくれた方、

演奏に来てくださった全ての方に楽しんでいただくために、

ホストとしてはセッションの進行に工夫を凝らす必要がありましたが、

おかげさまで、皆さんに楽しんでいただけたようです。

 

そして M さんにも思い切りジャズ魂を発揮していただくことができました。

お別れとはいっても、狭い日本の中、

そしてプロアマを含めてジャズ業界はさらに狭い人間関係の中で蠢いています。

きっとどこかで手合わせする機会はあることでしょう。

 

今日のブログ・タイトルですが、

中世の教会で歌われた、男性斉唱による聖歌のことです。

ブックオフで、何と CD 10枚組で621円という、驚きの価格。

そして音楽監督の名前をスマホでググってみると、

1959年生まれの音楽学者ということで、

録音もおそらくそれほど古いものではないでしょう。

衝動買いしてしまいました。

 

早速、今日のジャム・セッションの行きかえりの車中で聴きました。

中世の教会音楽旋法による単音旋律の男性斉唱が延々と続きます。

コーラスの声の音色が信じがたいほどに美しいことにまず驚かされました。

そして音程感覚に一点の狂いもない完璧なサウンド

こちらも引き込まれてしまいました。

僕のような不埒なものでも、心身ともに洗われ、

清らかに高められていくような感覚に包まれてしまいます。

これはハマります。

 

ただ面白いのは、斉唱が淡々と進むので、

曲と曲の切れ目がほとんど分からない点です。

教会旋法という、機能和声とは全く異なる音力学に基づいたメロディーの構造母体、

あまりにも饒舌になってしまった現代の芸術表現の豊さゆえの醜さを思い知らされた感じです。

 

 

まだ1枚目しか聞いていません。

全部で10枚組、純粋な単調さが続くのか、

それとも簡潔な中にも豊かな変化が現れるのか、

楽しみです。