僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

棋士の体力

飲酒歴40年、断酒歴7年と4カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、やっぱ体が資本・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は全く予定のない土曜日、のんびりため込むための日です。

朝のピアノの練習も、無理なテンポ設定によるテクニック獲得練習は避け、

一つひとつのフレーズやコード進行の味わいを確認する目標を設定しました。

 

1時間半ほど練習したのちに、お庭読書としゃれこみました。

ここのところ、じっくり読みこんでいる "Women are the future of Islam” 、

もうすぐ読み終えることができそうです。

 

今日、読み始めたのは、"Fighting Islamophobia" 「イスラム嫌悪と闘う」という章で、

ヨーロッパにおいても広がっているイスラムに対する誤解と、どのようにかかわるべきかという、

恐らくは今後の僕の生き方にとっても重要な示唆を与えてくれそうな内容です。

 

ところが、読み始めてから15分もしないうちに、深い居眠りに落ちてしまいました。

英文がムチャクチャ難しかったわけではありません。

まだそれほど蒸し暑いわけでもなく、小鳥のさえずりと心地よい風の中で、

確かに絶好の居眠りシチュエーションではありましたが、

ワクワクするはずの中身を前にして、ホンマに熟睡寸前でした。

 

やはり昨晩のジャム・セッションで、相当、疲れたようです。

もちろん、昨晩のセッションは、昨日も報告しましたように、

新たなパートナー、ピアニストの U さんとの初めてのコラボレーション、

とてつもなく充実した時間がもてましたので、

この疲労は、心地よい疲労でした。

 

しかし考えてみれば、

ピアノを弾き、歌を歌っていただけです。

体力的にムチャクチャしんどい作業をしたわけではありません。

酷使したのは、音楽感覚と演奏技能、そして若干の気遣いでした。

 

もしかすると当然のことなのかもしれませんが、

頭脳労働というやつ、かなり体力を消耗するようですね。

もし僕が飲酒者のままだったとしたら、

恐らく昨晩の演奏の途中で緊張感が切れ、

だらしのないセッションになっていたことでしょう。

 

そして頭脳労働による体力の消耗という点では、

将棋の棋士のことが思い浮かびます。

 

僕は将棋は全く指さないわけではありませんが、

どちらかといえば、今日、流行(はやり)の、「見る将」です。

今、将棋界は、あらたな若きトッププレイヤー、藤井7冠王に注目が集まっていますが、

しかし僕は、50を過ぎても順位戦をはじめとする厳しい勝負を戦い続けている、

ベテランたちに気もちが向きます。

 

棋士の全盛期は30代なんだそうです。

40代を過ぎると、思考というとてつもなくエネルギーを消費する作業を続けていくための体力が、

格段に落ちるんだそうです。

高々、2時間半のセッション・ホスト・プレイでくたくたになっている身からすれば、

最長で一日、12時間以上、極限の思考作業を続ける棋士という職業、

僕たち凡人の想像をはるかに超えた体力が必要なんでしょうね。

 

レベル64の身で、さらなる体力の充実を図りたいというのも、少しばかり生意気でしょうが、

しかし心がけだけでも、もち続けたいものです。

そのためにも、断固として断酒ライフ継続あるのみです。