飲酒歴40年、断酒歴7年と6カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。
本日もリスボンの、洗剤が壊す人間関係・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
今さらアムウェイの話でもないとは思います。
マルチレベル・マーケッティング、
ネットワーク・ビジネスの代名詞ともいってもよい、アムウェイ、
アムウェイのビジネス・システム自体には、違法性はないようですが、
しかし世の多くの人が眉をひそめる業態名ではありますよね。
何故、今さらアムウェイの話かと言いますと、
昨日から読み始めた短編集の一つ目の話のテーマが、
ネットワーク・ビジネスに取りつかれてしまった男たちの、
人生のやり直しのきっかけだったからです。
もちろん、その話の中では、アムウェイという名称は一度たりとも登場しません。
しかし、主人公の一人語りに登場するビジネス・アイテムの数々は、
まさにアムウェイ・ビジネスの商品そのものを連想させるものでした。
僕のこれまでの人生の中で、
アムウェイに取りつかれてしまった知り合いが二人いました。
そのうちの1人とは、大学時代、ホンマに親友といってよいような間柄でしたが、
そいつがアムウェイ・ビジネスに染まってから、
他の理由もありましたが、疎遠になっていきました。
あいつも音楽を目指していました。
僕は大学を卒業した時点で、研究者の道を選びましたが、
あいつは卒業と同時に、ジャズ・ピアニストに弟子入りし、
プロとしての道を歩み始めました。
しかしその彼が、いつの間にか、会えば洗剤の話ばかりするようになりました。
大真面目に洗濯用洗剤の素晴らしさを熱く語っていました。
アムウェイでは、
自らが惚れた商品だからこそ他者に自信をもって勧めることを基本としているようです。
ともにジャズについて熱く語りあった男が、
ある日を境に、洗剤トークしか語らなくなりました。
他人のビジネスについてとやかくは言いたくありません。
しかしアムウエイは、僕たちの音楽を核に置いていた人間関係を壊してくれました。
あいつがアムウェイ・ビジネスで成功したかどうかは知りません。
ジャズ・ピアニストとしても、一応、プロとして活動しているようですが、
あまりパッとした話は聞きません。
アムウェイ・ビジネスに染まった連中がよく語る、夢のある生活、
あいつらのいう夢とは、ずばり、小金を稼ぐことですが、
それが人生の夢でしょうか。
そして実際にアムウェイ・ビジネスに染まった連中の90%以上が、
小金レベルの夢ですら手にしてはいないというのが実情のようです。
20代の僕が、洗剤の話しかしなくなった男から距離をとったことは、
多分、僕の人生にとって、正解だったんでしょうね。