僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

千本鳥居で円安の恐ろしさを知る

飲酒歴40年、断酒歴7年と8カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、たまには経済学?ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は盛りだくさんで、報告したいことが3件ほどあるのですが、

1件だけにします。

 

夕方、京都の伏見稲荷大社さんにお参りしました。

僕の音楽活動の拠点の二つが伏見にあるため、

お稲荷さんには時々、お参りします。

特にお稲荷さんを信仰しているわけではありません。

 

恐らく伏見稲荷だけではないと思いますが、

今、京都の観光地は、えらいことになっています。

恐らく、日本中の観光地が同じえらいことになっていると思います。

 

何かというと、海外からのお客さんだらけだということです。

新型コロナウィルス問題のピーク時には、どこに行っても誰もおらず、

閑散としていましたが、

今はどこに行っても、インバウンドの観光客であふれています。

お稲荷さんの中でも、お客さんの過密スポットナンバーワンの千本鳥居に入り込むと、

周囲からは日本語が聞こえることはほとんどなくなります。

スペイン語、フランス語、英語、中国語、韓国語、

さらに何語か全くわからない言葉まで、

千本鳥居の中は、言語博物館のようになります。

 

 

観光産業に従事している人たちにとっては、

ようやくビジネスが元に戻った、あるいはさらに勢いが増したといったところでしょう。

そしてインバウンドの観光客が観光地にお金を落としていけば、

そのことが明らかな引き金になって、日本経済全体にもいい影響を及ぼすはずです。

 

でもよく考えてみましょう。

何故、世界中から観光客が日本にやってくるのでしょうか。

大きな理由の一つが、円安です。

日本に来ると、何でもびっくりするほど安いのです。

ドルにしてもユーロにしても、そして人民元にしても、

日本では、本国で使用する時の倍以上の実効価値を発揮するのです。

 

円安とは、日本のありとあらゆる経済価値が、

世界標準に比べて、安く評価されるということです。

つまり日本の経済全体が安く評価されるのです。

日本人の労働は、他の国の国民の労働よりも、安いのです。

その結果、日本人は、海外に行くことができません。

海外からは、多くのお客さんが来ます。

でも、日本人は、日本国内から出られません。

円の価値は海外では、国内の価値の半分に下がってしまうからです。

 

円安とは、日本そのものが安売りされてしまうという事態です。

僕たちの労働も、世界中で最も安い値しかつかないのです。

 

アホノミクス、あるいはウンコノミクスは、

ホンマにアホな政策であったことがこれではっきりします。

 

円安が今後も続けば、

物価は上昇し続け、

僕たちの給料は下がり続けます。

いっこもめでたくありません。

この状態から脱却するには、相当な時間がかかるでしょうね。