僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

ピアノを調律してもらった日

飲酒歴40年、断酒歴7年と9カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、これもアップデートの一過程・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

時々、話題にしている家の近くの雑木林の中で、軽いジョギングをした以外は、

完璧にヒッキー君に過ごした今日という一日のメインイベントは、

3年ぶりのピアノの調律でした。

 

 

前回の調律から3年をあけてしまったことは、

ピアニストとしては決して褒められたことではありません。

ピアノという楽器にとって調律というプロセスは、

単に音高を調節しなおすのみならず、ピアノ全体の健康診断でもあるからです。

 

いつもの調律師さんに来てもらい、

少し過剰なお願いをしました。

この頃、キータッチが軽くなってきたので、少し重くしてほしいことと、

音色がキンキンしてきたので、落ち着いた柔らかいトーンに調節してほしいことの2点です。

 

実は僕の贅沢な依頼は、調律師さんの観点からすれば、

同一の依頼ということになり、

対処法も、ハンマーのヘッド表面の調節で行うそうです。

 

3時間近く格闘していただいた結果、調律および調音が終了しました。

 

音色はムチャクチャ、丸くなりました。

ただしある程度強めに打鍵をしてみると、

明るく開放的な音色も奏でてくれました。

 

表面的な華やかさは薄くなりましたが、

音色や音のつながりに深みが加わりました。

 

そして僕の弾き方が少し変わりました。

これまではピアノの打楽器としての側面を強調するような奏法を多用していましたが、

音色がソフト、且つスムーズになりましたので、

フレーズを打撃音の連続として捉えるのではなく、

あたかも声や管楽器の音色のように、切れ目のないつながりとして意識するようになりました。

 

弾き語りの際の歌い方も、自ずと変わりました。

ビートやノリでごまかすのではなく、

一つひとつの音をしっかりと保持しながら、音のつながりに意識を向けるようになりました。

 

僕の家のピアノは、グランドピアノの中でもかなり小型のもので、

値段もそれなりですが、

しかしそれでも通常の買い物とは一桁、異なります。

メンテナンスにもそれなりのコストがかかりますが、

コストをかけるだけの価値や意味のある道具です。

 

これからも断酒とピアノと歌で生きていきます。